三つの忠告

 これは私が大学生時代に体験した話よ。

 卒業単位の都合上、私は生物学を受講してたんだけど、やる気がなくていつもスマホをいじってた。

 そしたら教授が私を指名して、問題を出した。

「人間の器官の中で、条件を満たすと大きさが六倍になるのは何処でしょうか? その条件とは何でしょうか?」

 私は(自主規制)しか思いつかなくて、顔が真っ赤っかになっちゃった。

「これはセクハラだわ! 学務課に報告しますから」

 そう言ったんだけど、教授は、

「答えは瞳孔です」

 そして続けて、

「あなたに3つ忠告します。第一に、講義を真面目に聞くことです。第二に、あなたの心は汚れています。第三に、本当に六倍になると思っているなら、いつかがっかりするでしょう」


 教授の忠告はちょっとオーバーよね。

 講義を真面目に受けろって言われても、どうせ試験は過去問通りなんだし、時間の無駄じゃない?

 それに私の心は、純粋なまでに純白よ! まったく、失礼しちゃうわ!

 ついでに瞳孔は暗いところに行くと大きくなるけど、直径で言うなら6倍は大き過ぎで、面積で言うなら小さすぎ。

 でも3つ目は、当たってるかもね。龍堵の(自主規制)はそんなに大きくならなかったから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る