第164話 協力が大切
それから、十五分ほど移動し、シンジ達はリバーモールの近くまで着いた。
リバーモールの周りは、車などで作られた厳重なバリケードが何重にも敷かれており、さらにその周りには、百を超える魔物や死鬼が群がっている。
そんなリバーモールの様子を、魔物達に気づかれない位置でシンジ達は見ていた。
「……これは、どう思いますか?」
ユリナが、シンジに聞く。
「逆に、水橋さんの意見を聞こうか。どう思う? 媚は抜きでさ」
シンジの返答に、諦めたようにユリナは一度呼吸を置いて、それから話し出す。
「そうですね。見たところ、今まで見た公民館や小学校と違い、バリケードや扉に壊されたような跡がありません。バリケードを作ってから、中から動かしたり壊したりした様子も無いですし、距離があって中の様子までは詳しくはわからないですが……生き残っている人がいる可能性はかなり高そうです」
ユリナの予想に、シンジは頷く。
「そうだね。水橋さんが言うとおり、あの中には人がいるだろうね」
「……それで、これからどうしますか? あそこにいる魔物たちを倒します?」
シンジ達の後ろにいたマドカが、質問する。
「うーんまだ中の人たちの様子がはっきりとは分からないからね。それはやめとこうかな。予測は出来るけど……そういえば、常春さんは……常春さん?」
念のため、セイにも確認しようと思い、シンジはマドカの横にいるセイの方に向かって振り返る。
「……どうしました?」
そこには、唇をつきだし、頬を膨らませているセイの姿があった。
「……いや、常春さんは、何か感じないかな、って」
「……特に何も。先輩に分からないなら、私に分かる訳ないじゃないですか」
そう答え、セイはそっぽを向いてしまう。
「……あ、そう」
若干、重たい空気が流れる。
シンジは、助けを求めるようにユリナやマドカの方を見てみるが、二人ともすぐに目をそらしてしまった。
「……じゃあ、とりあえず、俺たちなら簡単に入れる場所があるはずだから、まずはそこにいってみようか」
そう言いながらシンジはその重たい空気から離れるように少し距離を取って歩き出した。
「……うん、やっぱりこっちにはバリケードは無いね」
「ここは……通用口ですか?」
シンジ達は、働いている人が入店する際に使う通用口や、荷物の搬入が行われている搬入口があるリバーモールの裏側に来ていた。
「バリケードどころか、魔物もいませんね」
ユリナが周囲を見て言う。
「魔物も正面から入りたいのかもね。か、単純にこちら側からは入れないと思っているのか」
「……そうですね。こちら側は、表と違って、なんだか冷たいというか、受け入れられている感じが、全くないです」
マドカが、寒そうにしながら、言う
その寒さは、身体的なモノというより、精神的なモノだろう。
華やかな、表と違いこういった施設の、裏側はただただ無機質だ。
裏側には、正面にある、人が入りやすいような、迎え入れるような明るくて大きな玄関は無く、壁と金属のシャッターがそびえているだけなのだ。
コレを見れば、魔物もこちらに入り口があると思わないのだろう。
「そういえば、マンションでも、魔物や死鬼は、マンションの入り口を目指して歩いてきていたっけ。裏口とかじゃなくて」
シンジが、ふと思い出したように言う。
「そうなのですか?」
「うん。水橋さんたちが戦っている間に、観察していたから。なんとなく、入り口って分かるんだろうね。死鬼もそうだ、ってのがなんとも言えない気分だけど」
「死鬼は、欲望で動くんでしたっけ……ちゃんとした入り口から入りたい、というのも、欲望なんですかね」
「迎え入れられたい、って気持ちね。死んでもそれは変わらない、か」
シンジは、グルリと無機質な壁を見る。
迎え入れる気配はなく、それどころか、見られている気配さえない。
「隠れずに立っていても、何もなし。見張りとかいないみたいだね。この距離で何もしてこないなら、普通に入っても問題ないか」
「……それで、どこから入るのですか? 搬入口にはシャッターが下りていますが……」
「え? 普通に、『アーキー』」
シンジが魔法を唱えると、従業員用の通用口の扉から、カチャリとロックが外れる音が聞こえる。
「……ロックを外せるのですか」
「あれ? 言ってなかったけ?」
通用口にかかっていたロックを外しても当たり前のようにしている、シンジとセイ。
その二人の姿をマドカとユリナはただ見ていた。
「はい。聞いてません」
「そっか……まぁ、レベル上げには使わない技能だし見せてなかったか」
「先輩、そういうところありますよね」
ユリナは不機嫌そうに、シンジを睨む。
「……うん、そうだね」
ユリナの意見に、マドカも同調する。
「そういうところ?」
「……なんでもありません。言ってもしょうがないですし。それより、その技能、どうやって使えるようになったのか教えてもらえませんか?」
「良いけど……それより、先に武器を預かっておこうか」
シンジは、ユリナとマドカを見ながら言う。
「え……?」
「なんで……ああ、そういうことですか」
困惑するマドカを余所に、ユリナは理解したのか自分の武器をシンジに渡す。
「ユリちゃんは、分かっているの?」
「まぁ、おおよそ。武器が無くても、中で『戦い』は起きない、という事ですよね?」
「そうだね。あれだけ厳重なバリケードを築いているのに、ここで攻撃をされない事を考えると、そう思っていいよ」
「そうなんですか……」
よく理解は出来なかったが、二人の余裕な態度にマドカも、困惑しながらシンジに武器を渡す。
「常春さんは……」
セイは、無言で、シンジに持っていた武器、ミスリルの短剣を突き出した。
「……じゃあ、常春さんのも預かるね……行こうか」
本当は、セイは自分で自分のアイテムボックスに入れておいて欲しかったのだが、その言葉は飲み込み、セイの短剣と一緒にユリナの杖とマドカの槍と斧をアイテムボックスに入れ、シンジは歩き始める。
「はい。それで、どうやって魔法を……」
そんな会話をしながら、その後を他の三人もついて行った。
それから、しばらく歩き、四人は従業員用の通路を抜け、店内に出た。
リバーモールの内部は吹き抜けになっていて、シンジ達がいる一階からでも、その他の階の様子が確認出来る。
電気が通っていないのか、通していないのか、店内は全体的に薄暗く、いくつかの店舗にはシャッターが下りてた。
だが、見たところ荒れた様子はない。
店内に、いくつか乾ききった血痕が残っている事に目をつぶれば。
「iGODの魔法の項目ですか」
「そういえば、レベル上げとセイちゃんとの稽古に夢中で、しっかりと見ていなかったね」
「そうですね……」
シンジから『アーキー』の覚え方を教わったユリナとマドカは、その内容について話している。
「あれ? 水橋さんは魔法使いなのに、見ていなかったの?」
シンジは、不思議そうにユリナに聞く。
「一応一通り確認したつもりだったのですが……正直、攻撃魔法など、戦いに使えそうな魔法しかしっかりと見ていなかったですね。興味も無かったですし。私もまだまだです。ゲームと違って、実際に行動するとなると、戦い以外の事も出来ないといけないのに」
ユリナは悔しそうに顔をゆがませている。
「まぁ、必要そうな状況でも無かったしね。そこらへんはこれからでも良いと思うよ」
「むむむ……」
シンジの言葉は届いているだろうが、まだ自分が許せないのだろう。ユリナは不機嫌そうに唸っている。
「……むむむむ」
……こちらでも、不機嫌そうな唸り声が上がっている。
声の主は、セイだ。
「……どうしたの? 常春さん?」
「むむぅ……いえ、別に」
セイは、シンジから目をそらすように横を向く。
「そう、なら良いけど」
それだけ返してシンジはユリナとマドカとの会話に戻った。
あっさりと。
そんなシンジの姿を、目を戻して見ていたセイは、絞り出すようにして、言う。
「……そんなにおしゃべりしていていいのですか? こんな、何がいるか分からない建物の中で、ぺらぺらと……」
その声の中には、かなりの量の、抗議の意が込められていた。
「ああ、それは大丈夫だよ」
そんなセイの抗議の気持ちを受け流すように、シンジは普通に言葉を返す。
「それは、どういう……」
「さきほどセイが言っていた、何か、に聞いてほしいからですよ」
セイの質問に、ユリナが答える。
「え?」
「これだけお話ししていれば、もしここに誰か生きている人がいたら気づいてくれるから……だから普通にお話していた、ですよね?」
マドカが、なぜか少しだけ申し訳なさそうにして言う。
「でも、それなら、それこそお話なんてしないで、大きな声で呼びかけるなりした方が良いのでは……」
「ちょっと、知っておきたい事もあるしね」
セイの、まっとうな意見に、シンジが言う。
「知っておきたいこと?」
「ああ、出来ればそうなってほしくないけど……」
言いながら、シンジは二歩三歩と足を進める。
そのときだった。
ターンと、広い店内中に響き渡る音が聞こえ、そしてシンジの体が大きく傾く。
聞こえた音は、明らかに、銃声。
「先輩!?」
とっさに、セイはシンジに駆け寄ろうとする。
「動くなぁ!」
だが、もう一発、銃声が聞こえ、セイの行動を止めた。
セイの前方の床には穴が空いている。
「じっとしていろ」
声が聞こえ、セイ達は、上を見上げた。
隠れていたのだろう。その声の主たちは二階にいた。
数十名の、男たち。
彼らは皆、何かを手に持っている。
猟銃やゴルフクラブ、バット、ボウガン、包丁……通常ならば、別の用途に使うそれらの道具は、現状では人を殺せる武器として、使用出来るだろう。
それらを持って、彼らは上からセイ達を見下ろしていた。
「いいか、今からそっちにいく。そのまま動くなよ。こっちにはボウガンもあるんだからな」
男達の代表なのだろう。
薄暗くて顔までははっきりと見えないが、猟銃を持った男性が、セイ達に告げる。
「……殺す」
そんな男性の言葉など、セイの耳には一切届いていない。
撃たれたまま動かないシンジを見て、セイは小さくつぶやいた。
「ちょっと、セイ、落ち着いてください」
「……はぁ?」
ユリナが、小さな声でセイに告げる。
「あんな銃一発で先輩が死ぬと思いますか? よく見て下さい」
ユリナが目線でシンジを指す。
シンジは撃たれて倒れたまま一切動いていない。
だが、シンジの体からは、一滴たりとも血は出ていなかった。
「分かっているわよ。それくらい。でも、いきなり攻撃してきたのよ? だったら殺さないと」
「いや、マジで落ち着いてください。これも先輩の考えなんですから。そもそも武器を預かったのだって……」
そんなやりとりをしている間に、猟銃を持った男が、今は動いていないエスカレーターを使って数人の男性を引き連れてセイ達の所へ下りてくる。
「……動くなよ。変な動きを見せたら、すぐにそっちの奴みたいに……」
「……あれ? 守屋のおじさん?」
下りてきた、六十代ほどの猟銃を持っている男性を見て、マドカが声を出す。
「ん……あれ? マドカちゃん?」
そんなマドカを見て、男性も驚いたような声を出す。
「……何、知り合い?」
セイが、ユリナに聞く。
「ええ、守屋さん。山門町の町内会長ですね。よくマドカの家にお花を買いに来ていたお得意さんです」
小声で、ユリナが返事をする。
「やっぱり、おじさんだ。……でも、なんで、こんなことを」
知り合いがいて、一瞬だけ、喜んだ表情を見せたマドカだが、すぐに睨むように、守屋を見る。
「いや、それは……まさかマドカちゃんたちだなんて、てっきり、一週間前の……」
マドカの表情を見て、守屋という男性は、なにやら落ち着かない様子でぶつぶつと言っている。
知り合いだと思わないで、銃を撃ったのだろう。
それで、動揺しているようだ。
「と、とにかく一端落ち着こう。まずは、落ち着いて、それから……」
「落ち着くって、いきなり銃を撃ってきた人が言う言葉ではないですよね」
ユリナが、守屋に言う。
「君は、水橋さんのところの……そうだが、まずは、とにかく、そこの男の子を外に出さないと、ゾンビに……」
「外に出すって、何を……!」
「痛ててて」
セイが、守屋に飛びかかりそうになったタイミングで、シンジがむくりと体を起こす。
「なっ……!?」
「なんか大きな音が聞こえて、びっくりして、ずっこけちゃった。何、どうしたの?」
なにやらわざとらしい声を出しながら、シンジは守屋たちの方を見る。
「あっ! なんだ、良かった! 生きている人がいたんだ! やったね、百合野さん、水橋さん!」
そして、妙なハイテンションで起き上がりながらマドカとユリナの肩を背後から抱き寄せる。
「せ、先輩?」
「っ……!? え、ええ、そうですね」
「いやぁ、良かったですよ。今まで誰にも会えなくて……どうしたんですか?」
いきなり抱きつかれて戸惑っているマドカやユリナを余所に、シンジはニコニコと笑顔で守屋に話しかける。
そんな守屋は、目を見開いて、口を開けていた。
「あ……ああ、いや、その、君、ケガは……」
「ケガ……ズッコけて額を打ったみたいですけど、大丈夫です。大した事ありません。ご心配ありがとうございます」
ペコリとシンジは頭を下げる。
「そ、そうか……それなら良かった」
「はい。良かったです」
ニコニコと笑顔を崩さず、シンジは守屋を見ていた。
「……ここで話そうか。座って」
それから、シンジ達は守屋に連れられ、三階にあるカフェに来ていた。
「はい。失礼します!」
シンジは、素直に守屋の正面のイスに座る。
「……失礼します」
その後に続いて、セイ達もイスに座った。
「こんな状況だ。お茶の一杯も出せなくて、すまないね」
「いえ、お構いなく。しかし、思ったよりも人がいるんですね。これで全員ですか?」
シンジは、カフェの周りを取り囲むようにして立っている男性達を見ながら言う。
五十人はいるだろうか。
さすがに、彼らは武器をシンジ達に向けてはいないが……しっかりと握りしめてはいた。
「いや、まだ他にもいるよ」
「何人くらいいるんですか?」
「全部で六十一人だったか……どうしてそんな事を聞くんだい?」
「いえ、そんなに生き残っている人がいるんだと思うと、嬉しくて」
あははとシンジは笑う。
「そんなに、というべきか、これだけというべきか分からないがね」
「あ……そうですね」
シンジは、笑いを消す。
「しかし……君たちはどこから入ってきたんだ? このお店の出入り口は、厳重に封鎖していたはずなのに……」
「裏の通用口からです。鍵がかかっていなかったので、そこから……」
「確認し忘れていたのか? あんな事があったというのに……おい!」
守屋は、外にいる男性達に向かって言う。
「裏の通用口の扉が開いていたそうだ。行って確認してみてくれ。他の所も、もう一度問題が無いか、詳しく調べてくれ」
「分かりました!」
守屋に言われて、男性達の半数ほどが散り散りに動き始める。
「ふぅ……まったく。こんな状況だと言うのに」
「……あんな事って、何ですか?」
「ああ、気にしなくていいよ。それで、君たちがここに来たのは……」
「え、はい。そうですね、今日、僕たちがここに来たのは、百合野さんと水橋さんのご両親を探すためなんですけど……」
「やっぱり、そうか。残念だが、ここにはいないよ。私も百合野さんには良くしていただいたから、無事を祈っているが」
守屋は、ふぅと息を吐く。
「……そうですか」
その守屋の返事を聞いてマドカが、表情を曇らせる。
そんなマドカを、シンジは心配そうに見つめて、言う。
「……やっぱり、ここにもいないね。水橋さんの方はお仕事で都心の方にいるかもしれないという事は分かったけど……そういえば」
シンジは、クルリと向きを変え、守屋の方を向く。
「ここ、女性の方が極端に少ないですよね? どうしてですか?」
「っ……!」
シンジのその質問に、守屋は目を見開く。
「そういえば……全員で六十一人なら、外の男の人たちでだけで、五十人はいますから……」
ユリナが、外で待機している男性達を見る。
「どこか、女の人たちだけ別の所に避難している、とかかな? どうなんですか? 何かそんな情報は知りませんか?」
シンジは、今まで見せたことが無いほど、目を輝かせながら、守屋に聞く。
「い、いや、そんな話は……」
「でもでも、男の人だけここにいるということは、別の所に、百合野さんのお母さんが……あ、分かった、女の人だけ別の施設に避難しているんですね。じゃあ、そこに行けば……」
「百合野さんは、聖槍町の方だ! この近くにはいない!」
しつこく食い下がったシンジに、守屋は叫ぶように言う。
「……え?」
マドカが、小さくつぶやいた。
「……失礼。少々気が立っていてね。こんな状況だ、気分を悪くしないでくれ」
「は、はい」
守屋の叫ぶような声を聞いて、シンジは身を縮こまらせて、震えた。
「……君たちは、他の場所は見てきていないのかね? たとえば、公民館や、小学校や」
「い、いえ。学校から逃げてきたあとは、それぞれの家を転々としていて……今日、やっと水橋さんと百合野さんの家に着いて、それから真っ直ぐこっちに」
「そうか。なら、言っておこう、この近所にある公民館や、小学校のような避難所は、とっくに崩壊している。ここ以外に、人が集まっている場所は、無いだろう」
「そうなんですか?」
シンジは、目を見開いて、驚いたような表情を作っている。
「ああ、何人か、君たちのように他の場所から避難してきた人たちがいてね。もう十日近くも前の話だ。彼らが言っていたよ。避難していたが、五日も持たずにゾンビに襲われたとね」
「そうですか……」
シンジが、大きく肩を落とし、手を下げる。
「……先ほどから、演技が大げさすぎません?」
「……しっ、気付かれるよ」
ユリナが、耐えきれなくなっただろう。
隣にいたマドカに、こっそりと耳打ちする。
「……ん? どうかしたのかね?」
「い、いえ何でも無いです」
ユリナとマドカは、慌てて手を振る。
「そうか……まぁ、今日はもう遅い。お互い、色々聞きたい事はあるかもしれないが、その話は一端置いておいて、これからどうするんだい?」
「うーん、そうですね。百合野さんや水橋さんのご両親を探したい、ですが、近くにいないとなると、ちょっと……」
「なら、ここにいなさい」
守屋は、やけに優しい笑顔で言う。
「いいんですか?」
シンジが、嬉しそうに顔を上げた。
「ああ、もちろんだ。勘違いとはいえ、驚かせてしまったしね。泊まっていってくれ。ただ、ルールがあるから、それはしっかり守ってほしい」
「ルール、ですか?」
「そうだ。こんな状況だ、しっかりルールを守ってもらわないと、大変な事になる。ここにいる以上、私たちが決めたルールはしっかりと守ってくれ」
「分かりました! ルールですね!」
シンジが元気一杯に手を挙げて言う。
「まぁ、ルールというのも、そこまでキツいモノではない。一言で言えば、『協力』してほしいということだ」
「『協力』?」
「ああ、こんな状況だ、まだ食料などはあることにはあるが、これから色々嫌なことがあったり、足りないモノがあったりするかもしれない。でも、まずは『協力』する、という事を考えてほしいんだ。自分は一人ではない。皆と『協力』しないといけないんだ、とね。こんな状況で生き残った数少ない人なんだ。皆のために、出来る事は各自『協力』して、支え合っていこう。それが一番大切なルールだ」
「分かりました! 『協力』します!」
「……よし。じゃあ、細かい決まり事を教えよう」
それから、守屋は、食事の時間や、見張りの時間などの決まり事を、シンジ達に教えていった。
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