おれもやりたいです


大澤:わたしも、もちろん売れたいんですけど、でも自分の欲求を率直に自分の胸に問うてみると、売れる小説を書きたいかっていうとそうでもなくて、今まで書いてたみたいな、とても売れそうにない変な小説を出し続けたいんですよね。でも売れないことには売れない小説は出させてもらえないジレンマがあって。


isako:やっぱバズるしかないのかな。


大澤:バズは常に狙いにはいくんですけど、それとは別のアプローチとしてキンドルダイレクトパブリッシング(流暢)はひとつの手段だなってことで『ジョシ力エンジン』とか『CQ』とか、絶対に商業には乗らないだろうっていうピーキーな本を出してみたって感じで。電書ならほら、元手はタダなので。


isako:やってましたね。そのへんの欲求は、カクヨムとかに放り込むのとはまた別で、あくまで出版のかたちにこだわりがあったりするんですか?


大澤:やっぱり本好きなんですよ、わたし。電書でも、ウェブで閲覧するよりはかなり読書に近い感じにはなるので。キンドルペーパーホワイトなんかの電子ペーパーの端末なんかを使うと特に。それに、キンドルもオンデマンドのペーパーバックを作れるようになったらしくて。電書だけじゃなくて紙の本も作りたいですね。


isako:いいですよね本。活版で自分の文章が出たらほんとうに嬉しいと思います。


大澤:あ、一緒にキンドル本出します? 金も名誉も渡せませんが、電書出版にかかる雑用くらいはやりますよ。いちおう経験者なのでノウハウはありますし。


isako:いいんですか? おれから提供できるようなものは小説以外ほとんどないんですが……。


大澤:なんか、わたしの興味は「自分ですごい小説を書いて自分が売れたい」っていうよりは、それももちろんあるんですけど、畑を耕して、勝手に自分好みの小説がニョキニョキ生えてくるようなエコシステムを作りたいみたいな欲望のほうが強くて。


isako:本物川小説大賞はそういう雰囲気ありますよね。


大澤:あとは書くだけ! って環境を整えたら「え~? じゃあまあ、書くくらいは書こうか?」みたいなスタンスの人ってけっこう多いから、じゃあそのへんの雑用はわたしが引き受けましょうかね? みたいな、わりとそういう実務的なスタッフとしてのほうが有能なタイプなんです。クリエイター気質じゃない。


isako:活動も手広いですよね。プロモーター感あります。


大澤:プロモーター、かもしれませんね。インターネットお祭り野郎なので。まあ、具体的なことはこれから考えるとして、isakoさんさえ良ければ、なにか一緒にやってみましょう。


isako:ありがとうございます。おれもやりたいです。小学生みたいだ。


大澤:まあひとまず、isakoさんには『しみちゃん~』にケリをつけて頂いて、それからですかね。isakoさんに圧をかけていくためにも、みんなも読みましょう。大澤めぐみが受け入れられるような、ゼロ年代メフィストチルドレンには絶対に刺さるはずなので。



        2022/4/22 文責:大澤めぐみ

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