31.いらない人間
愛猫が亡くなってもうすぐで1ヶ月が経ちます。もう1ヶ月?とも思いますし、まだ1ヶ月?とも思います。変わらないのは今でもずっと悲しいしさびしいということです。
猫又になるんだもんね、と約束したのに、苦しい病気でわたしのもとを去っていってしまいました。苦しいのから解放されたのはよかったなと思うけれども、やっぱりつらい。かすかな物音が猫の足音に聞こえる。外からの物音が猫の鳴き声に聞こえる。泣いても泣いてもあの子は帰ってこない。
猫はわたしの心の猫型の大穴を開けていきました。
それからわたしは自分の存在の意味がますますわからなくなっています。なにもかもどうでもいい気がしています。さびしくて仕方がないからいろいろやってみるんだけれども、どれもわたしの存在を肯定してくれませんでした。いろいろやることをやめると、ぼうっとするしかなくて、そうすると眠るか猫のことを思い出して泣くかしかないのです。早く死んでしまいたい。猫に会いに行きたい。きっと虹の橋の向こうで犬と一緒にわたしを迎えてくれる、そう思うと生きてる意味がなくなるのです。
どうやったら生きていけるんだろう。存在を肯定されるんだろう。許されるんだろう。ずっとわからないままこんなに大人になってしまいました。どこにいても場違いな気がして怖いわたしを猫や犬は許してくれたのに。
もう疲れました。生きてていいと思えない。いらない人としか思えない。
母が生きているうちは頑張って生きるつもりです。そのあと死にます。そうしたらこの世なんかよりよほどわたしを許してくれる父、猫、犬に会えますから。
なんでこんないらない人間に育ってしまったのかわかりません。もともとが怠け者だからかな。人類が誕生して今まで、わたしのようにいらない人間はいたのかな。その人はどうやって生きたのかな。せめて害にならないように、残りを生きたいと思います。
猫。会いたい。
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