ひとりぼっちメンヘラ

やどり

1.だって「いるのかよ!」って思う

 メンヘラ系や生きるのがしんどい系のエッセイ漫画などを目にすることがよくあります。大抵は共感して「わかりすぎる……」とのめり込んで読んでいるうちに、その方の親友や彼氏、夫などが登場して「いるんかい!」と盛大につっこむことになります。

 いるから駄目とか悪いとか言いたいわけではないのです。駄目でもない、悪くもない。ただ、私にはその苦しみや悩みに共感できるのに、何でも話せる友人も恋人も夫もいないから、そこで大きな溝が私の中に勝手に生まれてしまうのです。そこまで作者さん(主人公)に寄り添って一緒に進んできたところで、いきなり「お前なんかいらない」と振り払われたような気分になってしまうのです。勝手に期待して勝手に裏切られたような気分になる、やべーやつです。

 親友、恋人、夫がいるからって苦しみの軽重が簡単に量れるわけではないのはわかっています。なにもない私のほうがつらい! とマウントを取りたいわけでもない。

 でも、「いるんかい!」となってしまうのは自分でもどうしようもないのです。どっちのほうが上とか下とか、楽とかつらいとか、重いとか軽いとかの話ではなく、「いる」と「いない」の話です。私の中の大きな溝の話です。私にはいない存在が登場したとき泣きながらズコーッとなってしまって、溝や線引が見えてしまう。

 そんな私の、そして私と同じように「いるんかい!」ってなってしまう誰かのために、何でも話せる友人も彼氏も夫もいない私がただただメンヘラっている日々を書き綴れたら、と思っています。


 まず誰かを突然の死的な突然のズコーッに陥れることのないよう、私のおおまかなスペックを並べていこうかと思います。

 30代女、独身、喪女です。ここで言う喪女は2ちゃんねる(今はなんでか5ちゃんになっているんですね)発祥の語で、もてない女板住人、生まれてから一度も恋人がいたことがない、他者に好意を告白されたことのない女性のことを言います。そんなやついるかよと思いますか? います。私です。

 母と二人暮らしで、他に家を出た弟がいます。両祖父母と父は他界しました。

 遠方に住む趣味友達がふたりいて、ときどきLINEで話したり、年一くらいで会ったりします。あとツイッターランドの方々を友人と思っています。

 いわゆるメンヘラのほうですが、うつ病、パニック障害、社会性不安障害と診断されて通院をしています。

 職歴はありませんし、見た目はブスで、性格はたぶんねじ曲がっており、サイズはかろうじてMですが近頃リバウンドをしてLのほうに近寄っています。

 結構救いようのない感じだと思います。そのことを誇るでも自慢するでもなく、マウンティングするでもなくただ「あったこと」「思ったこと」「考えたこと」として淡々と綴るつもりです。いや、淡々とは難しいかもしれない。感情的になるかもしれません。


 ともかく、支えになってくれる友人、恋人、夫が登場しない救いのないただ暗いだけのエッセイっぽいものがあったっていいじゃないの、と思った次第なのです。

 次は通院のきっかけとなった出来事を書こうと思います。

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