桜letter
夜桜アイリス
プロローグ
君は桜の花びらのようだった。
ひらひらと掴みどころがなく、
僕の手からすり抜けていった。
もう一度、君と──。
「ねえねえ、あの噂知ってる?」
「あの噂って?」
「『桜letter』だよ」
「ああ、知ってるよー。桜木公園のどこかの桜の木の下にポストが現れて、投函すると死者から返事が帰ってくるやつでしょ?」
「そうそう、桜が満開のこの季節限定なんだって」
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