1話

〈風真side〉


もう嫌だ…両親なんて死んでしまえばいい。

幾度となく考えた


この手で両親や、いらない人を殺したら?


風「ハハッフフフフッ…」


笑みがこぼれる。


ドンッ 部屋の戸が殴られる


父「うるせぇ!」


この家に僕の居場所なんてない。

留苡(るい)もそう。


ピッ


風「もしもし」


留「もしもし?どした?」


風「今から来れる?」


留「風真ん家?」


風「そー」


留「いいよ」


風「ありがと!待ってる」


留「おう!」


留苡…日向 留苡(ひゅうが るい)。僕の幼馴染で唯一の理解者だ。


お互い親が嫌いで常にストレスを抱えている。


♪〜♫〜♬


風「はい?」


留「着いたよ」


風「分かった。いつも通りな」


留「うん」


ピンポン…


母「風!留苡しないの!?」


風「んー」


階段を降り玄関へ向かう。

そこには年数を重ね古くなった扉。

ガチャ キィィィィィ 古びた家だから嫌な音を立てる。


風「よー」


留「よ。おばさん、コレ…おすそわけ」


母「まぁ、ありがとね!」(ニコッ)


さっきまでの態度と顔は何だよ。ウザっ


留「いえ、では…」


母「楽しんでね」


留「はい」


風「毎回ごめん」


留「大丈夫だよ。俺は風真の為なら何でもする」


風「ありがと」


本当に嫌になる。何もかも…

自分自身でさえも…


留「で、今日は?」


風「僕、親殺しちゃおうと思って」


留「へー」


風「留苡は?殺る(やる)?」


留「どーしよっかなぁ…」


風「殺せば?嫌いデショ?」


留「そーだな。俺もそーする」


風「じゃあ、夜親が寝てる間に殺ソ」


留「わかった」


本当、この世の中はイイのかワルイのかわからないなぁ………





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る