はらむこと

私達は空っぽになった子宮を見て

嘆いているだけの日々を送っている

目が肉体に根差してもいるのに

暗い肉の塊の夢から覚めることができない


遠くから、見つめるもの

かつて胎に置いてきた、共に生まれるはずだったもの

自分の肉体に使われた、哀れな形成

原初の罪の夢から覚めることはかなわない

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仁川路永扇短編集 仁川路永扇 @trakhtn

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