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林桐ルナ

正常なヒトのテーゼ

テーゼ


命題に対する肯定

もしくは命題そのもの



死んだら人は生き返らない。


もう二度と会うことは出来ない。


死んだ人の顔を妙にハッキリと思い出せるような気になることがある。


しかし、それは生きていた頃の姿ではなく、写真に写った顔なのだと気づく。


忘れたくなくて何度も眺めた写真の顔なのだと気づかされる。


それを、覚えていると言っていいのか分からない。


そう言ってしまうのは嘘なのかもしれないと、いつもどこかで思っているのだろう。


そうやって忘れてしまっていく自分は、人としては正常なのだ。




ヒトとしては。






正常なのだ。

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