転生先でボランティア活動

黒泉杏哉

序章 旅立ち〜転生〜

第1話 過去と現在


 僕は何のために生きてるんだろう。そう思ったのはわずか9歳の頃だった。

 物心つく前に両親は他界し僕はずっと姉ちゃんに育てられてきた。

 だがそんな姉ちゃんも9歳で他界した。


 当時姉ちゃんは大学生だった。初めてできた彼氏と旅行に行くと言い僕を親戚の家に預けて行った。

 玄関で見た姉ちゃんの明るくて楽しそうな顔。

 それが姉ちゃんを見た最後だった。

 翌日になり朝早くに親戚の人から起こされこう告げられた。


『お姉ちゃんが飛行機事故で死んだ』と。


 それからの僕の行動は全くと言っていい程記憶にない。気がつけば親戚の家で朝を迎えていた。

 昨日の事は夢だと思い親戚の人に聞くとやはり姉ちゃん死んでいた。

 その時僕が何を思ったのかどんな行動をしたのか分からない。

 だが親戚の話によるとその時の僕は過呼吸状態になり救急車で病院に運ばれたという。

 気がついた時には姉ちゃんが旅行に行った後と何ら変わりなく親戚の家にいた。

 それからはあっという間だった。

 葬式やらお通夜やら色々あった。親戚の家なども転々とした。

 これが僕が9歳の時にあった出来事。


 現在ではあの時から6年が経ち身長も伸び、心身共に発達し立派に成長した。

 春からは高校生になる。親戚の家を出て一人暮らしを始め、央陵学園おうりょうがくえんというエリート高に通い、新しい友達も出来て、彼女なんかも作ったりしてそんなハッピーライフな高校生活を送る。そんな心機一転の年になるはずだった。

 そんな中僕は電車に轢かれて死んだ......

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