51.死期


 昔から、俺のばあちゃんは人の死期が分かったらしい。

 その力は生まれた時から持っていて、今まで外れた試しが無かった。


 ばあちゃんは、いつも言っていた。


「これは、そんなにいいものじゃない。人の死ぬ日が分かるのは、頭がおかしくなりそうだった」


 俺はむしろいい力なんじゃないかと思ったけど、今は違う。

 今日は葬式だ。

 ばあちゃんは悲しそうに、遺影を見つめている。


 そして、ゆっくりと語りかけた。


「みんな死んでいく。死ぬ日は変えられない。だから相手に言えないせいで、別れの挨拶も出来ない。知らない方が、いい事もある」


 ばあちゃんは涙を流していた。

 俺はそれを上から眺めながら、ばあちゃんの力が無くなれと願い続けた。


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