最前線の演劇部

ノラ猫少尉

プロローグ

毎日通った小学校の周りにも


好きだった男の子の家にも


友達と遊んだ公園にも


今は鉛が飛び交う

ここは、戦場。


いくつもの思い出が一瞬にして崩れ去る姿は

美しいと錯覚してしまうほどのあっけない

殲滅だ。


そんな崩れ去る思い出を舞台にして

私は舞う。

両手に拳銃を握りしめて

鉛を避けながら跳躍、回転しながら引き金を引く、その様はどう見えているのだろうか。

この際ならば「化け物」ですら

褒め言葉だろう


命を乞う、兵士の首を丁寧に跳ね飛ばしながら彼女は思う。


「私は、何故ここにいるのだろう」と。


しかしそう思いながらも、命乞いをする兵士達を殺戮することに幸せすらおぼえる自分がいることに心底うんざりしている。


とりあえずひと段落ついたら、こうなるまでの経緯を思い出して見ようと思う。







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