水瓶少年

 あまりのあつさに天の川がはじけて、夜になってもあたりはうすじろい明るさにつつまれている。

 ぼくたちは硝子ガラスだまの入った曹達ソーダすいかたむけながら、早く水瓶少年ガニュメデスがやってきて、秋の水をそそいでくれたらいいのにとささやきあった。


 (あるいはそらが白むのは、天の川にいる魚のれやかにたちが、そろってねたり泡を吹いたりして、夜の温度を下げようとしているからなのかもしれない。)

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