七十一から八十

『アルゴ・アカデミー』第二場より

 (十二月の夜。いつものように寒い日である。そらに、変にねじれた扁桃アーモンドがたの月が出ている。教室ではストーヴに火が入っている。生徒が二人、話をしている。)


 クー・シー:(そらを見て)あれお月さま、かしいでるよ。どしたんだろう。

 マルカブ:どしたもないよ。きのう彗星のやつが、ぶっつかっていったろう。

 クー・シー:ああ、それでなの。コメットあわてていたものね。をかしかったものね。

 マルカブ:ねえ。ま、彗星なんてのは、だいたいちょっとはをかしいけれど。……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る