あの娘は小指になにを飼う

 そのふっくらとした輪郭は蛹だった


 静かに皮膚を割って

 濡れたはねが広がっていく

 青い風に揺れた帆は

 月の海をわたるだろう


 あるこどもの夢にはひなんだ


 柔らかな木漏れ日は

 寝台にかえった温もりだった

 やがて零れ落ちる歌ごえが

 澄んだ宙を渡るだろう

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