中田島砂丘

 なみにころがる

 石や貝がらがこなごなに

 ちいさくなって

 それらがぜんぶ

 砂丘のいちぶです


 あんなにちいさくて

 ちいさくてでも

 みんなじぶんが

 石や貝だということを

 かけらも忘れないのです


 (もすこし波のきわへいこうか)

 (よしなよ、飲んだらからいよ)

 (あんなでからいの、ほんとに)

 (次からつぎへと寄せるのがね)

 (銀のねり飴みたいにみえるよ)

 (じゃそうだよ、ねってんだよ)

 (それから潮くさくないものね)

 (やっぱり甘そうだ、いこうか)

 (いこう、すこしいってみよう)

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