けものブレード

柊木緋楽

0. PROLOGUE

「それでは、失礼しました。」

かばんがそう言ってサーバルと共に歩き、少しだけ高い丘に停車するジャパリバスへと向かった。

「……ハカセ、ちょっと付いていくのです。なんだか、嫌な予感がするのです。」

ワシミミズクはかばん達の背中を見て突然、アフリカオオコノハズクに問いかけた。

「そうですね。助手。なんだか、とても嫌な予感がするのです。不安なのです。怖いのです。」

アフリカオオコノハズクはワシミミズクの言葉に対し、そう返した。



























「ここは……アリツカゲラのろっじ……なのです。かばんたちに見付からないよう、なるべくかばんたちの部屋から、遠い部屋に泊まるのです。」

アフリカオオコノハズクはそう言った。

「ハカセ、なぜかばんたちにみつかってはいけないのです?」

ワシミミズクはそう問うた。

「なんとなく、なのです。なぜか、見つかったらダメな気がするのですよ。助手。」

アフリカオオコノハズクは、ワシミミズクの問いに対し、そう答えた。

「……そうですか。」


「ロッジアリツカへようこそ。あ、ハカセ。珍しいですね。ハカセがロッジへ来るなんて。」

「そんなことはどうでもいいのです。かばんとサーバルが泊まった部屋から出来るだけ遠い部屋で頼むのです。」

「え?なんでかばんとサーバルが泊まったことをハカセが知っているんですか?」

「心配で、付いてきたのです。あ、くれぐれもかばんたちには私たちが泊まっていることを言わないように頼むのです。」

「……分かりました。」













































「全く。かばんは一体何をしてるのです? それと、3日前から聞こえる悲鳴はなんなのです?」

ワシミミズクはそう言った。

「アリツカゲラに聞いてみるのです。」

アフリカオオコノハズクは、ワシミミズクの言葉に並ばせそう言い、歩き始めた。

「助手。付いてくるのです。」










「ここが今、アリツカゲラのいる部屋のようなのです。」

アフリカオオコノハズクはそう呟いた。

「でも……。」


「何か、他に変わったことはなかったか?」

目線の先でタイリクオオカミと、

「そういえば、夜にジャパリまんが減ってたような……。」

アリツカゲラがそんな会話をした。

その横にはかばんもいた。

「とにかく、今は取り込み中のようなのです。後にするのです。」

アフリカオオコノハズズクはそのフレンズたちを見て、ワシミミズクと共に、部屋へと向かった。











「助手、助手。起きるのです。かばんたちがロッジから出ていったと連絡があったのです。」

朝一番。

アフリカオオコノハズクがワシミミズクを起こし、そう言った。

「うーん。」

ワシミミズクは目を擦りながら、呻いた。



「ついていくのです。助手。」

アフリカオオコノハズクはそう言った。

「分かりましたよ。ハカセ。」

ワシミミズクは、眠気を混じらせた声で、少し口角をあげながらそう言った。

















「ここなのです。」

アフリカオオコノハズク、ワシミミズクは、かばんたちを追って、海――……

舟の前へと来た。

「誰か、居ませんかーっ?」

かばんがそう叫ぶ。

「わわっ。かばんがいるのです! 一旦隠れるのですよ。助手。」

アフリカオオコノハズクはそう言った。

「しばらく、観察するのです。」




ドーン!

「なんだか、爆発音がしたのです。」


「あ、かばんとサーバルが走り出したのです。追いかけますよ。助手。」

















「なになに!?」

「……よね!」

「二人とも、さっきの音に反応して来たようなのです。……なんだか嫌な予感がするのです。一旦離れますよ。助手。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る