愛ゆえに

ガルガード

気が付かない

固定視点なし


レオン「…………」


ガルガード「日本の桜っていつ見ても綺麗だな」


ガルガード 流石日本固有の花………いつ見ても凛々しい………


ジーファ「親父さっきからずっと無言で桜見てるんだけど………」


レオン「…………」


珍しく家族全員の休みが被りタイミングよく日本の桜が満開したということで、レオンとガルガード、瑠夏(るか)、拓海(たくみ)、レギルの5人は日本に来ていた


ガルガード「なにか思い出してるんじゃないか?」


無言のまま枝垂れ桜を見ているレオンはあることを思い出していた………昔 「予言者」と名乗る男に言われた言葉を………


予言者『いつか貴方が家族と桜を見に行った日 侵略者に貴方は息子を奪われるだろう』


レオン それが今日のような気がする………確かに今 日本は侵略者に侵略されつつある……もしあの予言が本当なら………


レオンは桜を見ていたのではなく嫌な予感がして頭をフル回転していたのだ


蒼颯「父さ〜ん 行くよ〜」


レオン「ん 悪い悪い」


雅空「何かあったの?考え込んでるみたいだけど」


レオン「ちょっとな」


レオン 大丈夫だとは思うが念の為………


レオンは予言者の言葉が頭から離れずこっそり緊急時用に回避能力をあげる魔術を使う


聖「レオンはどの桜が一番好きなんだ?」


レオン「うーん………どれも綺麗だし好きだけど1番は枝垂れ桜かな」


昴「レオンっぽいね」


レオンは元々桜が好きで仕事の休みが合えば1人で花見をしに行くこともしばしば


通行人「あの人達ってアルタイルとジーフェストのトップの人達じゃない?」


通行人「本当だ………というか生で見たら本当にイケメン………」


ジーファ「ってよ?親父」


レオン「ジーファ お前もその「イケメン」の中に入ってるだろ」


通行人の話を聞きつつそう話す


レオン「?」


ガルガード「レオン?どうした?」


レオン「いや………今なにか刺さった気が……」


ガルガード「ちょっと見せてみ ……………特には何も刺さってないぞ」


不意にレオンは首に何か刺さった気がしたが何も無かったらしく気のせいだと思い歩を進める


レギル「…………」


歩いてく内に1番前を歩いていたレギルが立ち止まり空を見上げる………するとレギルの千里眼が発動し一気に青ざめて「走って!!」と叫ぶ


全員「!?」


レギル「侵略者が近くにいる!!」


レギルの声で全員が青ざめて一斉に走り出す


ガルガード「レオン?!」


レオン「先に行って!!」


普段ならガルガードよりも足が早いレオンが今はガルガードよりも走るのが遅く、走っている最中でもガルガードはレオンの方を向く


レオン「っ!!」


なんとか走って後一歩でガルガードに追いつくという所まで来て透明な箱ができ、レオンはその中に入ってしまい出られない


ガルガード「レオン!!」


レオン「今は行って!!早く!!!!」


レオンを箱から出そうとするがレオンは嫌な予感が過ぎっていて「行け」と言う


ギルーヴァ「………」


レオン「ギルーヴァ?!」


ギルーヴァ「走って!!早く!!!」


ギルーヴァは恐らくガルガードよりも前を走っていたのだが侵略者に襲われガルガード達を逃がす


侵略者「逃げられたナ」


侵略者「ダガ実験体は手に入ったゾ」


ギルーヴァ「ぐっ………」


レオン「ギルーヴァ!!っ………」


ギルーヴァは侵略者に直接捕まりレオンは視界が歪み呼吸がしにくい


侵略者「さっき薬を打ったやつカ?ずいぶん薬が効くのが遅いナ」


レオン「ギルー………ヴァ………」


レオンは意識を失う直前に苦しそうに侵略者に捕まっているギルーヴァを呼んで倒れた


侵略者「即効性のハズナンダガナ」


侵略者「「体質」というモノだロ」


ギルーヴァ「ぐっ………」


レオンが気絶した後ギルーヴァも気絶させられ侵略者達の本拠地へ


〜2時間後〜


レオン「っ………?」


ギルーヴァ「目 覚めた?」


レオン「まだ箱の中か………」


2時間後 漸く目が覚めたレオンは先に目が覚めていたギルーヴァに「みたいだな」と言われる


レオン 箱は鎖で繋いで運んでるのか………それじゃあ簡単に逃げること出来るぞ


レオンが上を見てから下を見てみると見覚えのある車が下で並走しており力を使えるか試す


レオン「ギルーヴァ 「頃合を見計らってGPSを起動させるからそれまでは待て」と伝えてくれ」


ギルーヴァ「え?」


レオン「死ぬなよ」


レオンは力を使えるとわかってギルーヴァを力を使って下に落とす………ギルーヴァからしたら恐怖体験であるがレオンにはそれしか思い浮かばなかった


ギルーヴァ「うぉあああ!!??」


突然下に落とされ叫びながら落ちていくと車から出てきたジーファにキャッチされる


ギルーヴァ「怖………」


ジーファ「率直な感想をどうも」


ギルーヴァ「雅が「頃合を見計らってGPSを起動させるからそれまでは待て」って」


ジーファ「親父に言っとく」


車を運転しているのはガルガードだがそっちに集中していて話が聞こえてないない


レオン ジーファがキャッチしたか………ギルーヴァは無事だが俺は無事じゃないな


侵略者「…………」


レオン「……っ……」


恐らく強い力を使ったことで侵略者達に感知されてギルーヴァを逃がしたことがバレ、レオンは侵略者に首を掴まれて首を絞められている


侵略者「何処に逃がしタ?イエ」


レオン「断るっ………っ………」


元々首を絞められて声が出ずらいのだがさらに強く絞められて呼吸ができない


侵略者「このまま死にたいのカ?………イエ」


レオン「嫌だと………言ったら?」


レオンは侵略者を煽りに煽っているのだが更に煽って首を絞められ首の骨から嫌な音が………


侵略者「その辺にしてオケ」


侵略者「…………」


レオン「ゲホッゲホゲホゲホゲホ!」


別の侵略者に言われてレオンは漸く開放されたのだが体が酸素を取ろうと思い切り噎せる


侵略者「我々のこの箱から人を逃せるなんて初だろウ?」


侵略者「…………」


侵略者「それに今首を絞めていた男は「アルタイル」の初代司令官………実験をするには良い材料ダ」


レオン 流石にわかっているか………


漸く呼吸が戻ってきたレオンは侵略者の話を聞いていたのだが、突然全身が熱を帯びたように熱くなり視界がぐるぐる回る


レオン「さっき………何入れやがった……」


侵略者「催淫作用………だったカ?自白剤の中に含まれていたらしいガ………今頃効いてきたノカ?」


レオン 嘘だろ………


侵略者「マァ………自白剤はお前には効いていないヨウダガ」


レオン「御生憎様そういう手の薬に対抗出来るよう抗体があるんでね」


レオンは自分の持つ地位が高いので万が一に備えて様々な薬に対抗出来るよう、長期間に渡って少量ずつ薬を体内に取り込み抗体を作り上げたのだ


侵略者「…………」


レオン「っ」


侵略者は何を思ったのかレオンの顎を掴みレオンはただでさえ体が熱いので体が先に反応


侵略者「…………」


レオン「んヴっ………んんんん!!!!」


侵略者が半開きになっていたレオンにキスをして舌を入れてきたのだが………その舌は人間とは違い長くおまけに何かを舌で隠していたらしくそれを飲み込まされる


レオン「ゲホッゲホゲホゲホゲホ………おえっ」


侵略者「アレを飲み込んでおいて吐き気と咳だけで済むトハ………久々の上玉ダ 楽しめるナ」


レオン「てめぇ………何飲ませた………!!」


侵略者「いずれワカル」


それだけ言って侵略者はもう1人の侵略者と箱から出ていきレオンは突っ伏す


レオン 気持ち悪い………身体も痛てぇ………


何を飲まされたのかもわからず更には吐き気が酷く意識を手放したくてもできない


女性「あの 大丈夫ですか?」


レオン「………大丈夫………」


どれ位時間が経ったのか………朦朧としだした頭ではそれさえ考えられず「大丈夫」と弱々しくしか答えられない


レオン 帰りたい………ガル達の所へ………


レオンは既に体調的にも精神的にもきてしまっているようでガルガード達が恋しい


レオン 身体熱い………気持ち悪い………


レオンは体が熱い上に気持ち悪さもある中途半端な体調で人が何を言っているのかも聞き取れない


〜一方その頃〜


ギルーヴァ「…………」


ガルガード「…………」


ギルーヴァとガルガードは組織に戻り無言のままキーボードを叩いていた


ギルーヴァ「…………」


ガルガード「…………」


そして2人同時にエンターキーを押して同じ結論に至る


2人 禁術………か………


※因みに2人とも別の部屋でその結論に至った


2人 レオン(雅)が許してくれるか………


2人にはそれが一番大事なことだった………


〜侵略者の本拠地〜


侵略者「…………」


レオン「…………」


侵略者「235?139875211329753?(ナンダ?あいつやけに顔赤くないカ?)」


侵略者「369521145 32148932564732949(薬が入ってル しかも上官に目をつけられてる)」


箱から出されたレオンはフラフラな状態で歩いていて侵略者の声が聞こえそれを瞬時に理解


レオン 言葉が必ずカタコトなのは言語が違うからか………しかも上に行かないと話せない………


侵略者「随分と我々の言葉を理解するのが早いな」


侵略者「896320………(特装官………)」


レオン 特装官………?


いつ来たのか「特装官」と呼ばれた侵略者がレオンの近くに来ていた


特装官「侵略者達を部隊に分けて指示を行う者だ 余りいないがな」


レオン「人の心を読む力を持ってるのか………?」


特装官「多少はな それにしても部下に目を付けられているからどれ程の者かと思ったが………確かに上玉かつ良い素材だ」


侵略者にも階級があり一番下は侵略者の言語しか話せず上に行くと少しずつ話せるようになり、上級階級になってくると普通に言語を話せるし武器も与えられ部下を持つ


特装官「それに顔も良い上に生まれつきの手入れを施された白髪赤眼と来た………珍しい者を見ると手酷く傷つけたくなる性分なんでな?」


レオン「っ」


レオンは特装官に壁に追いやられ顎クイをされているのだが………見た目は人間に似ている特装官の目は獣そのもの


レオン「…………」


しかしレオンはその目を見たことがあった………遠い昔突然姿を消してしまった仲間と同じ目をしているのだ


特装官「………この状況で別のことに気を取られるとは随分と余裕だな?」


レオン「?!」


特装官「味見をする気はなかったが………溜まっていることだし丁度いい」


レオン「やめっ………!!」


特装官に床に叩きつけられたレオンは特装官がしようとしていることを理解し抵抗するが、先に入れられていた薬が余計に体に回ってしまい力が上手く入らない


特装官「良い身体をしているな」


レオン「っ………」


力が入らず特装官に上の服を破かれたレオンは肌に感じた外気に思わず反応


特装官「傷跡だらけではあるが………肉付きもいいし筋肉量も人の上………流石初代司令官と言ったところか」


レオン「くっ………」


特装官「見た目ではわからないが服を脱がせればどれ程鍛えているのかよくわかる」


レオン「ぅ………」


人間とは違い特装官の手は冷たく温度がないかのようにひんやりしていてレオンの熱が上がる


レオン「ふ………ぅ………」


特装官「良さそうだな」


レオン「!?やめっ………ふぁっ……ああ!!」


レオンはアルタイルの制服を着ていたら簡単には破かれないしスボンの中に手を入れられないが、生憎今日は仕事で日本に来たのではなく完全なプライベートかつ観光………故に服も私服で破きやすいし脱がしやすい


レオン「離せ……くそっ………!!」


特装官「お前口悪いな」


そう言いつつも特装官は手を止めることはなくその場にいた侵略者2人にレオンを拘束するよう言う


レオン「48!!!!(死ね!!!!)」


特装官「…………」


レオンは瞬時に侵略者の言葉を理解したということは言葉も理解したということだが………まさか「死ね」と言われるとは思わずつい手が出てレオンを失神させてしまった


特装官「………08213609872346(お前達は仕事に戻れ)」


侵略者「36(はい)」


特装官は失神している(失神させてしまった)レオンを肩に担ぎ体を元に戻してからある特別な牢屋へ


特装官「…………」


???「…………」


特装官「世話しろ」


牢屋につくと暗い部屋の奥の方に座り特装官を見ていた人に特装官はそう言う


???「…………」


特装官「ケイフェス」


ケイフェス「………ギルバート………」


ケイフェスは名を呼ばれ自分の息子と瓜二つの同じ名を持つ人特装官の名を小さく呼ぶ


ギルバート「…………」


ケイフェス「世話はする ………少し水の量を増やして欲しい………」


ギルバート「今日水を2リットル渡せと命令したはずだが」


ケイフェス「2日前から与えられてない………食事も………」


ギルバート あの馬鹿共………


ケイフェスの気が弱まっているのはわかったがまさか食事と水を与えられていないとは思わず、後で処理をすることを決めレオンを預けて、ケイフェスとレオンの分の食事と水を持ってきてレオンの分は力で保護


ケイフェス「…………」


2日ぶりの食事と水を得たケイフェスは取り敢えずレオンの様子を確認してから水を飲み食事をする


〜数日後〜


レオン「………?」


ケイフェス「おはよう やっと起きたか」


レオン「………ケイフェスさん?」


ケイフェス「おう」


数日後 漸くレオンの目が覚めケイフェスは取り敢えずの説明をする


ケイフェス「ギルバートが行方不明になってずっと探してたら捕まってここに来た………この牢は他の牢と違うみたいで特装官のギルバートが毎日ここを通る………日付感覚とかは鈍らないが常に暗いから朝なのか昼なのかはわからない だがギルバートが通り過ぎる時はそれが朝で、一旦止まって初めに来た方向を戻っていく時はそれが夜って合図だからすぐ分かる」


レオン「つまり3世紀も姿が見えなかったのは捕まっていたからですか………」


ケイフェス「そんなに経っていたのは今知ったけどな」


レオン「まさかこんな形で再会するとは思いませんでしたけどね」


ケイフェス「そりゃそうだ」


ケイフェス まさか3世紀も行方不明なってるなんてな………


ケイフェス「………特装官の1人にギルバートに似てるやついるだろ?」


レオン「いますね」


レオンは保護されていた食事を食べつつ答える


ケイフェス「名前も「ギルバート」なんだが 気がついたか?」


レオン「ギルバート本人だと?確かにギルバートそのものです………ですが根本的なところが全く違う………」


ケイフェス「侵略者達は人間を味方につけることができるんだよ だが俺とお前には効かなかったらしい」


レオン「?」


ケイフェスは3世紀もここにいるからなのか侵略者のことには詳しく道もわかるが、もし脱走なんてしたら廃人になりかねないのでしようは思わない


ケイフェス「侵略者達は薬の中に人間を侵略者にする成分が入ってる だが俺とお前にそれは効いてないのか今もこうして人間だ………だから特別扱いをされているんだろ………」






ケイフェスはその時知らなかった………ギルバートがケイフェスの予想通り自分の息子であることを………

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愛ゆえに ガルガード @Garugard

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