死にゆく太陽

そんなことアルワッサ組合

シナリオ本文


大隣雑源の作品は偶然にもジュク=シャブを招来した。ジュク=シャブが将来されたことは周辺を拠点とし活動していたミ=ゴには悪いニュースであった。ミ=ゴは操り人形である市長に作品の撤去命令を出させた。これに猛反発した芸術家は、撤去反対の応援に探索者たちを呼ぶ・・・。


注:このシナリオは、神話生物と協力して神話生物をどうにかするシナリオである。

注2:前半で茶番を行い、後半でPL同士の判断に差異を生ませる。この二点がすべてのシナリオ。


キーパーの情報

大隣雑源は豊かな感性と確かな技術を持った芸術家である。彼のガラスを用いた作品は高い評価を受けている。その大隣に佐久佐市は市のシンボルの作成を依頼した。彼は熱意をもって依頼に取り組んだ。完成した作品は怪しく、心惹かれる何かがある直径2.5mのガラスの球体であった。何の因果か、この作品はグレート・オールド・ワンのジュク=シャブの姿そのものであった。そしてこの作品はジュク=シャブを招来した。ジュク=ジャブは制作者の大隣に接触する。そして大隣はこの存在を自分の神と思い込むようになり、求められてもいない生贄を差し出すようになる。

ジュク=シャブが招来されたことは佐久佐市周辺で活動していたミ=ゴにとって不都合であった。ミ=ゴの計画では最終的に佐久佐市は壊滅する。彼の神格を害し、敵対関係となるのはミ=ゴにとって望ましくないのだ。そこで彼らは自らが手を下さない方法でジュク=シャブを撤去しようとする。彼らに洗脳された佐久佐市長の茂木(もてぎ)を使い、オブジェの撤去命令を出したのだ。大隣は依頼主の市の対応を受け、撤去を阻止するための応援として探索者たちを呼ぶ。


導入・大隣雑源と佐久佐市

探索者の情報

ある日、探索者に電話がかかってくる大隣という男からだ。「私の傑作が撤去されようとしているんだ、どうにかしてくれ!!」探索者は弁護士や探偵、もしくは大隣の友人など、大隣が頼りそうな人間だ。佐久佐市に依頼された作品を設置したら、佐久佐市から撤去命令が出たとのことだ。

佐久佐市について調べれば以下のようなことが分かる。佐久佐市は人口3万人ほどの市である。宇保佐町と座鳥栖町が合併してできた市で、今年で市政30年となる。街の北部は山岳地帯であり、主要産業は林業である。コンピューター/図書館ロールに成功すれば市制30年を祝う事業を行っていたことが分かるが、それらの公式情報はすべて削除されている。

大隣雑源について調べれば以下のようなことがわかるし、大隣の友人であれば知っている。大隣は芸術家であり、ガラスを主な材料として用いる。確かな技術と豊かな感性で作られた作品群は評価が高く、時折海外でも展示会をしている。コンピューター/図書館ロールに成功すれば、大隣は気難しいところがあり、自分が望む作品しか作らない。そのため、一般的に名声を得られていないのだとわかる。

佐久佐市へようこそ

佐久佐市は小さな市であり、北部には山岳があるほか、西部は田畑が広がっている。北部の山岳地帯から西部へと川が流れているのだ。街に入ると、家具や木彫り細工の店などが多くあることに気付く。街には大きな建物はなく、精々、時折4~5階建てのマンションがある程度だ。この街で目に付く建物といえば美術館である、コンクリートむき出しの二階建ての建物であり、佐久佐市ではめずらしい建築物である。



大隣雑源と会う

大隣雑源は壮齢の男性で、髪は白く、皺も多い。そのため、実年齢は四十過ぎにも拘らず、五十過ぎから六十ほどと思われる風貌をしている。指定された場所で彼に会うと、彼は最低限のあいさつを済ませた後、依頼を説明しだす。

「市のやつらめ、自分から依頼をしてきやがったのに、作品の撤去しろなんて言いやがった、おれの、素晴らしい作品をだぞ?しかもだ、制作費用は払わねえときたもんだ、ああ?おかしいだろうよ?んだからよ、お前らには撤去の取り消しをしてほしいんだ、最低限制作費用を払わせろ、撤去を取り消したら追加で報酬を払う、おれの素晴らしい作品を撤去なんて許しちゃ置けねぇ」

法律ロールに成功すれば、市が公共の場所からの物品の撤去をする権利はある。しかし契約の内容にはよるが、大方の場合は制作費用の支払いを無くすはできないだろうということが分かる。

彼はこのように言ったあと、美術館に設置された彼の作品を見せてくる。演出であるのか、作品周辺は青い霧が出ている。作品は直径2.5mほどの球体である。象牙を半透明にしたかのような白っぽい色をしており、特殊な表面処理がされているのか、かすかに輝いているようにも見える。アイデアロールに成功した探索者はこの作品に、強く心を揺さぶられるような、引き込まれるような感覚がする。彼は「死にゆく太陽」というこの作品の名を紹介する。まだ固定がうまくできていないから危険だということで、彼は作品から距離を取るように忠告してくる。天文学ロールに成功すれば、おそらくこの作品は白色矮星となった太陽が宇宙に浮かぶさまを表現しているのだろうと想像がつく。目星ロールに成功すれば、この霧を発生させている装置が見当たらないことに気付く。

 作品を紹介した後、雑源はとりあえず一日か二日でどんな感じになりそうか報告してくれないかという旨を伝えてくる。雑源は勝手に撤去されないように、この周辺に留まっているか、近くのホテルの一室にいるということだ。


調査

契約のトラブル相手である市にアポを取れば担当者と話ができる。但馬敏明という男だ。彼が言うには、市の記念事であるのに、「死にゆく太陽」という不吉な作品を作られてはたまらないため、撤去の命令を出したし、金銭も払うつもりがないとのことだ。雑源の代理人であることを説明するか、言いくるめロールに成功すれば、雑源との契約書類を見せてもらえる。書類を確認すると、雑源が提出した作品案がある。作品案は「死にゆく太陽」のもので、市はこれを認めていることが分かる。書類を確認しようとしてなかろうと、心理学ロールに成功すれば、但馬は納得せずに話をしているように思える。それについて指摘するもしくは案を認可しているのだから金銭は払うべきではないのかと指摘すると、「撤去命令はともかく、製作費は支払うのが妥当かなと私は考えております、ですが、茂木市長が撤去しろ、金銭も払わないの一点張りでして・・・。」という話を聞ける。市長に話を聞くためのアポイントはとれない。但馬は別れ際に「ここ数年物騒ですのでお気を付けください、先日も行方不明者が出まして・・・。」と注意してくる。但馬との話が終わるころにはおそらく六時は過ぎているだろう。

佐久佐市周辺の事件について調べれば、二年前に農村部の河川敷で首なしの死体が発見されたという記事が見つかる。


死にゆく太陽

雑源の行方

但馬との話が済めば、少なくとも裁判に持ち込めば金銭受領はできるだろうと探索者たちはひとまずの結論に至るだろう。しかし、その日の内に雑源に話をしようとしても、雑源は見当たらない。彼は信じる神への生贄を探しているのだ。

次の日の朝、新聞やニュースで雑源が逮捕されたとの記事が出る。略取・誘拐罪の現行犯で逮捕されたとの事だ。詳しく記事を追うと、作品が展示されている周辺が騒がしいと警官が通報を受け、向かったところ、猿ぐつわをされた女性が雑源に連れられていたとのことだ。また、現場には複数人が気絶しており、事件との関連性を警察は調査しているということだ。



雑源の罪

警察署に向かえば雑源と面会ができる。事件について問えば雑源は、「ああ、捧げることができなかった・・・そうだ、前に捧げたのは5日前だ・・・捧げなければ」と会話にならない。撤去命令についての報告をすれば、調査の礼を言ったあと、撤去をうまく取り消せるようにしてくれと頼む、そして別れ際に「作品が撤去されてはかなわん!!確認してきてくれ!!」という風に懇願してくる。心理学ロールに成功すれば、雑源が作品に異常なまでの思い入れを持っていることがわかるし、雑源の知人であれば、彼はここまで作品に思い入れを持つ人間だったかと疑問に思う。

署の警官に話を聞けば雑源が罪を認めていることが分かるし、数日前の行方不明事件も雑源の手によるものだと教えてくれる。ただし、数日前の被害者は見つかっておらず、雑源に尋ねても生贄に捧げたのだからいないと答えるのみらしい。犠牲者はジュク=シャブに吸収されているため、痕跡は残っていないのだ。また、逮捕のきっかけとなった騒ぎについても教えてくれる。現場に駆け付けると、数名が倒れており、麻痺状態だったそうだ。現在は病院で治療を受けている。また、雑源との関連性は不明とのことである。心理学ロールに成功すると、この警官には事件で少し引っかかっていることがあるように思える。言いくるめ/説得ロールに成功すれば、彼らが手にしていた物品を証拠として保管しておいたが、いつの間にか消えてしまったらしいということを、声を小さくして伝えてくる。物品について尋ねれば、銃の形をした玩具のようなモノらしい。


ジュク=シャブとの接触

事件現場からすでに警官は撤収し、探索者たちが雑源に連れられてきた時と変わらないように見える。目星ロールに成功すればいくつかの場所に焦げ跡など、熱せられたような跡がある。作品周辺を調べていると、突然探索者は可聴域を大幅に下回る低さの声を知覚する。探索者たちが辺りを見渡しても、音を発する存在はない。アイデアロールに成功すると、音を介さずに脳内に直接メッセージが送られているのだろうという発想に至る。さらに見渡すと、「死にゆく太陽」の明かりが揺らいでいることに気が付く。そして探索者たちが気が付くと、球体は明滅し「あの男(雑源)ではないのか」という言葉が脳内に響く。無機質の球体が不気味に輝き、メッセージを送ってくる様を見た探索者は0/1D4の正気度を失う。

この球体とコンタクトを取ると、球体は自らをジュク=シャブと名乗り、雑源(名では呼ばない)はどうなったのかを聞いてくる。探索者が、彼が略取・誘拐罪で捕まったことを伝えれば、頼みもしないことをするから・・・といった旨の言葉をつぶやく。ジュク=シャブは生贄を望んではいないのだ。また、焼け跡について尋ねれば数名の人間が電撃を放って襲撃してきたと説明してくる。

このシナリオ上、ジュク=シャブは害されない限りは敵対せず、害するものに立ち向かう際には友好的な存在である。


ミ=ゴとの接触

ジュク=シャブとの接触後、探索者の一人に電話がかかってくる。市長の茂木(もてぎ)からだ。作品の撤去の件で直接話がしたいと伝えてくる。指定された市長室に向かうと、そこには老年の男性である市長の茂木がいる。挨拶がなされるが、その声は非常に平坦である。心理学ロールに成功すると、この人物がまるで何も考えていないのではないかといった印象を受ける。目星ロールに成功すれば応接用のソファーの周辺がなんとなく歪んでいるような気がする。探索者たちがソファーに座ると、突如目の前にピンクがかった生き物が現れる。その生き物は甲殻類のような胴体に翼のような移管、そして頭部には渦巻き状の楕円体が非常に短い触手に覆われて存在している。この生き物の唐突な出現を見た探索者たちは1/1D6+1の正気度を失う。

この虫のような存在はブンブンという不快な音を交えながら探索者たちに語り掛けてくる。あの作品はジュク=シャブという、はるか昔に地球を支配していたグレート・オールド・ワンの一種であり、いずれ必ず災厄を齎すと話してくる。そして、この地球から彼の存在を追放するために協力してほしいと願い出る。同意をしてもしなくても、ミ=ゴは二種類の装置を渡してくる。一つは5つの組からなるユニットで、もう一つは3つからなるユニットだ。ミ=ゴはそれぞれの装置の起動のさせ方を説明した後、5つの装置を指定した場所に設置するように、周辺の地図を渡してくる。そして、5つの装置を設置、起動した後に、3つの装置を球体を囲むように起動させるように指示する。ミ=ゴによれば、5つの装置はジュク=シャブの力を弱めるものであり、3つの装置はジュク=シャブを地球から追放するための装置だ。何故、ミ=ゴ自身で行わないのかと問われれば、一つ目の装置の影響下ではミ=ゴの行動も制限されるためとのことだ。そして、一通りの説明をした後、ミ=ゴは窓から空へと飛び立ってゆく。


隣人は誰か

ミ=ゴのコロニー

ミ=ゴによって指定された場所は市の北部山岳地帯と市の南東、南西、北東、北西の5か所である。装置は市を星形に囲むようになっており、その中心にはジュク=シャブが来るようになっている。二種類の装置はどのようなロールを行っても具体的な効果は分からない。北部山岳地帯に装置を設置する際に探索者は一体のミ=ゴが北の方に飛んでいくのを見かける。目星ロールに成功すると、ミ=ゴは人間の子供をつれて飛んでいるということが分かる。子供は特に暴れている様子はない、気絶させられているのだ。

そのままミ=ゴは山岳地帯のある岩肌の前で止まる。そこには穴も何もないが、ミ=ゴは岩肌に歩を進めると吸い込まれて行ってしまう。目星ロールに成功すれば、その岩肌周辺がなんとなく歪んでいるように見えるし、追跡ロールに成功すればミ=ゴの足跡が岩肌の前に後ろ半分だけついていることに気が付く。ミ=ゴは自分たちのコロニーを光学迷彩で隠しているのだ。


各部屋の詳しい描写は忌まわしき古代遺跡を参照。

入り口

入ってすぐは自然の洞窟のように思えるが、段々と人工の穴のようになっていき、溶けたような跡が散見される。化学ロールに成功すれば、何らかの薬品で溶かした跡だとわかる。内部はぬかるんでおり、湿度が高い。


手術室

最初の侵入の際には、ここで手術をしているミ=ゴがいる。手術風景を見てしまった場合は1/1D6の正気度喪失。

棺桶とも風呂桶とも思える容器が2つほど並んでいる。そして部屋には3畳ほどの大きさの石のテーブルがある。石のテーブルには見慣れない金属の器具が並んでいる。

 風呂桶のようなモノには黄色のどろっとした液体が満ちており、片方には裸の人間が沈められているが、よく見ると皮だけである。医学ロールに成功すれば医療技術の高さに恐れおののく。正気度を1/1D6失う。


知識保管庫

扇形をした部屋である。五つの透明な円柱状の装置が並べられておりが一つの段に並べられており、もう一つ上の段があるが、そこには何も置かれていない。それらの容器は緑色の液体で満たされ、その中には人間のものと思われる脳が浮かんでいる。探索者は1D3/1D8の正気度を失う。


記録室

小さな部屋で、人間の背丈ほどの長方形の黒くてかたい石板がある。光を当てる角度によってさまざまな象形文字が浮かび上がる。


貯蔵庫

謎の植物のようなモノが入り口を半分ほど塞いでおり、通ることはできないように思える。この先には精錬所と採掘場がある。


縦穴(ゴミ捨て場)

深さ7メートルほどの穴で、そこは水面であり、田園地帯へ流れる川に繋がっている。探索者たちは目星ロールに成功することで、奥は水面であり、そこには頭部の無い人間の死体が浮かんでいる。しかし、頭部から血液は漏れていない。おそらくは死蝋化しているのだろう。この光景を見た探索者は1/1D4の正気度を失う。


通路

一部の通路は天井が非常に高くなっており、そこには奇妙なハンモックがかかっている。



選択

果たして探索者たちに忠告を行った生物は信頼のおける相手であるのだろうか、探索者たちには疑問であるはずだ。おそらくは両方とも排除すべき存在であるのだろうが、片方の排除しかできない。この選択は探索者たちに委ねられる。アイデアロールに成功すれば、作品が知的生命体であるのを知っているのはおそらく探索者達だけであるし、ミ=ゴは市長を利用していたことから、公共機関がミ=ゴの対処にあたってくれるとは思えない。探索者以外にこの状況を動かせる人物はいないだろうと気が付く。

結末

このシナリオが向かう結末はミ=ゴを排除する、もしくはジュク=ジャブをもとの世界に送り返すことである。


① ミ=ゴを排除する

ミ=ゴを排除する場合、ジュク=シャブに助力を願うことができる。ジュク=シャブはミ=ゴの存在を知っているが、佐久佐市にミ=ゴがおり、自らを害すであろうことは知らない。また、ジュク=ジャブは彼の存在が自らの種族のためにだけ行動することを知っている。もし探索者たちが事情をジュク=シャブに説明し、ミ=ゴを排除しようとしている旨を伝えれば、ジュク=シャブはいくつかの薬品を持ってくるように指示する。薬品の量はかなり多いが、市内の店舗で手に入れることができる。約9キロの薬品を持ってくると、ジュク=シャブは自らの近くにそれらを設置するように指示してくる。設置後、ジュク=シャブを包む青い霧は濃くなり、ジュク=シャブの輝きが仄かに強くなる。そしてそれらの変化が収まると、金色の粉末が出来上がっている。球体が薬品の何らかの影響を与え、変質させた光景を見た探索者たちは0/1の正気度を失う。制作が終わるとジュク=シャブはこの粉はミ=ゴや、彼がいた星々周辺の生命体に作用する毒であり、おそらく人間には効果がないと説明してくる。加えて、一体一体に振りかけてもよいが、巣にどれだけのミ=ゴがいるか不明なため、巣全体に散布できるような工夫をすると良いと助言する。燃焼させることによって得られるガスは充分な毒性を持っているようだ。(ただし、この性質はジュク=シャブが生成したもののみが持つ性質である)これはヘルメス・トリスメギストスの毒の塵であり、160回分の量がある。


コロニー殲滅戦

ミ=ゴのコロニーを壊滅させる場合、適切なロールに成功すれば、大抵のことが分かる。例えばドローンにどうやれば粉の散布装置を積めるか、ガス状に散布するにはどのような方法があるのか、どの地点でガスを発生させればコロニー全体におおよそ行き渡るだろうか等々だ。

探索者たちが作戦を決行する時間、ミ=ゴは皆コロニー内で作業をしており、武装もしていない。20体程度のミ=ゴが暮らしているだろう。ミ=ゴはそれぞれの作業をしているため、そこから動かないが、1~2体程度のミ=ゴは見回りをしているからもしれない。探索者の行動に合わせて、適切な難易度になるようにミ=ゴを動かすのだ。コロニー外からの攻撃に留まる場合は、ミ=ゴを武装させて外に出してみるのもよいだろう。よっぽどのことがない場合は、探索者たちはミ=ゴを殲滅することができる。

ミ=ゴのコロニーを壊滅し、ジュク=シャブに会うと彼の周辺が青白い輝きに包まれていることに気が付く。そしてジュク=シャブは「呼ばれているようだ…ご苦労であったな」と探索者たちを労う。探索者たちがその時に呪文や知識を望めば、ジュク=シャブは応じる。そして、探索者たちが何も望まなければ、選別としてヘルメス・トリスメギストスの毒の塵の作り方を教える。ただし、これらの伝授は脳内に直接刻み付けるものであり、知識を伝授された探索者は1D8+2ポイントの正気度を失う。望んだ内容によってはより多くの正気度を失うだろう。その後、あたりは青白い光で覆い尽くされる。そして、青白い光が収まった後、探索者たちは光ることも、青い霧に包まれていることもないガラスの球体が設置されているのを目にする。



② ジュク=ジャブをもとの世界へ帰す

五つの装置を設置しジュク=シャブのもとへ向かうと、作品を包む思い切りが薄くなっているように見える。ミ=ゴから渡されたもう一つの装置を起動させるとジュク=シャブは内部から赤黒い光を発し、怒りの意志を探索者たちに伝えてくる。「この力はあの女神どもの・・・・貴様らは仇なすというのか」しかしながら、怒りを伝えるばかりでジュク=シャブは装置が起動しきるまで行動を行わない。そして、装置の起動が終了すると、あたりは青白い光に包まれていく。そして、周りがその光で何も見えなくなった時、まるで血のような赤い光が一瞬探索者たちの視界を覆い尽くす。ジュク=シャブがその場にいるすべての探索者にマインドブラストを行ったのだ。探索者たちは胸の奥の奥が焼けるような感覚を覚える。50-nD6のマジックポイントと各探索者のマジックポイントを対抗させ、対抗に失敗した場合は2D10の正気度を失い、1D100時間身体が麻痺する。そして、青白い光が収まった後、探索者たちは光ることも、青い霧に包まれていることもないガラスの球体が設置されているのを目にする。



結末

探索者たちが生き残った場合は1D6ポイントの正気度を獲得する。加えて、5%のクトゥルフ神話技能を獲得する。

ミ=ゴのコロニーを壊滅させた場合、その後、佐久佐市での行方不明者数は正常な件数に戻る。ただし、罪を犯した大隣雑源の作品は撤去され、30周年事業は完全な白紙に戻ってしまう。雑源は責任能力なしと判断され、罪に問われないが、その後精神病院から抜け出し、行方不明となる。雑源からの依頼金は受け取れなかったが、探索者たちはひとまずの平穏を確信し、正気度を1+1D4ポイント追加で獲得する。

ジュク=シャブを送り返した場合、ミ=ゴは活動を続ける。行方不明者の数は減ることはない。そして数年後には佐久佐市が壊滅するだろう。そのことを知った探索者たちは自分たちはおぞましい生き物に手を貸してしまったのだろうかと後悔し、このシナリオで獲得した正気度に加え、1D6ポイントの正気度を失う。



ミ=ゴのステータス

コローニー外に出るミ=ゴはバイオ装甲(8点の装甲)を装備している。また、コロニー内部のミ=ゴは何も装備をしていない。

佐久佐市周辺のミ=ゴ

STR11 CON11 SIZ11 INT13 POW13 DEX 14 耐久力11

ハサミ 30% 1D6+組み付き

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