お昼ご飯の時間 その2


 お城から出ると、ヴァリアッテはストレッチを開始しました。

 久能もヴァリアッテに倣って、同じようにストレッチをし出しました。


「食事前に軽く運動をしておくとしよう。久能、街まで競争としゃれ込もうではないか。まずは、お前が先に行け。余は気が向いた時に向かうとしよう」


「どうやったって、僕が負けるに決まっている」


「やる前から負けを認めるというのか? 負け犬根性に染まった駄犬とは嘆かわしい」


「負けるのが分かっていても、僕はやりますよ」


 久能は街まで体力を使い果たす気で走り出しました。



 久能とヴァリアッテの能力には、超えられない壁があります。

 もちろん、ヴァリアッテの能力値が高すぎるため、地球人としては最強レベルの久能氏春では足下にも及ばないといったところなのです。

 ここ惑星ヴァルには、その人物の能力値をステータスとして表示する独自技術があったりします。

 その独自技術で、久能氏春のステータスはこうなっています。


【名前】久能氏春

【年齢】16

【性別】男

【職業】ヴァリアッテの所有物

【レベル】55/99

【HP】12999/99999

【MP】  399/99999

【STR】1999/9999

【DEX】1256/9999

【AGI】1112/9999

【VIT】1901/9999

【MND】 788/9999

【INT】1599/9999

【弱点属性】火



 ヴァリアッテの数値は、測定限界を超えていて、カンストしていたりしますが、それは正確な数値ではありません。

 実際は、もっと上なのです。



【名前】ヴァリアッテ・スノーホワイト

【年齢】16

【性別】女

【職業】魔王

【レベル】99/99

【HP】99999/99999

【MP】99999/99999

【STR】9999/9999

【DEX】9999/9999

【AGI】9999/9999

【VIT】9999/9999

【MND】2999/9999

【INT】1402/9999

【弱点属性】なし



 久能はまだレベルがカンストしていませんので、まだ伸びしろはありますし、INTだけはヴァリアッテより数値が高かったりするのです。

 とはいえ、街までの競争ではヴァリアッテに勝てるはずもありませんでした。

 街まで十キロほどなのですが、半分の五キロまで来たところで、ヴァリアッテに抜かれてしまいました。


「街に着いたら、お仕置きだな」


 ヴァリアッテが抜いた瞬間、久能の耳元でそう囁きました。

 その一言で久能はとある期待に胸を膨らませて、残りの五キロを走りきるのでした。

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