自主企画用:パステルプラネット33に登場の役者たちに訊いてみました

瀬夏ジュン

3人のレジスト:リョウ、ミサ、ケンジ

はい。

わたくしは悪役を演じました人格ソフトウェア、1級調査官、グレン・シグナトリーと申します。

今回は、主役の3人にわたくしがインタビューさせていただきます。


リョウくん、ミサくん、ケンジくん。お疲れさまでした。

さっそく〜自己紹介〜をしていただきましょう。

まず、銀河オリオン腕でも唯ひとりという超人的な5感をもつ天然変異体、リョウ・シドニーくんから、どうぞ。


リョウ「いわれちゃったな。シグナトリーさんがいう通り、天然変異体だよ」


それだけじゃないでしょう?

優れた5感を生かして、惑星ナンバーワンのカリスマ・シェフとして活躍しているでしょう?


リョウ「ああ、そうだよ。いわれちゃったな」


では、3人のレジストの紅一点、ミサ・ワルシャワくんですが————。


ミサ「ちょっと待って、自分でいう。あたしも変異体。数字に強く生まれついたもんで、それでいろいろ機械を作って活動する役よ。変装して芸能活動もしてる。劇中で調査官補佐のアルマとすんごく仲良しになっちゃった。あたしたちプライベートでも親友なのよ。シグナトリーさん、あんたアルマを執拗に殺そうとしたでしょ? 最高にキモかったわ」


そういう役作りでしたからね。キモくて気持ちよかったです。ほんとうに!

では3人目、レジストチームのリーダーであり、知的万能指数であるセーガン評価点400以上の正真正銘の天才! ケンジ・フラノくん! 自己紹介どうぞ! ケンジくんは、もうちょっとで連合のリクルートに応じてくれそうでしたね? あのシーンは、ほんとうに惜しかった!


ケンジ「そんなことはないです。そっち側へ行こうと少しでも思ったわけではありません。ただ、エイリアンの技術に心底驚いたんです。もう、まるで次元が違う。人間と機械、なんていうテーマがチッポケに思えました。彼らはどこへ行ってしまったのか。きっと別の宇宙へ飛んでいったのでしょうね。他の膜宇宙ブレーンワールドなのでしょう。ぼくたちの銀河系でさえ、とてつもない大きさなのに。その外に出ることでさえ、もの凄いことなのに」


ケンジくんは空間跳躍装置に手を触れてみましたね。どうでした?


ケンジ「生きている、と感じました。巨大な水槽に浮かぶ10万以上のオブジェは、エイリアンの魂そのものなのだと直感的に理解しました」


第6感はリョウくんの得意とするところですが?


ケンジ「優れた5感を使って物事を知るのはまさに第6感といえます。でも、しっかり理路整然と考えて答えを導き出す行為も、場合によっては第6感と呼んでいいと思います」


なるほど。いずれも神秘的な人間の能力ですね。

わたしのような人格ソフトウェアにはマネの出来ないことです。すばらしい!

まあ、連合の最新鋭AIであるASIエイジには、もしかしたら可能かもしれません。

では、次に質問事項です。

発言したいかたは、自由にどうぞ。

まず、〜イヌ派? ネコ派?〜


ミサ「トリ派」


他のおふたりは?


リョウ「……」 

ケンジ「……」


では、〜大切な人はいる? なぜ大切?〜


ミサ「アルマよ。大の親友。素朴で努力家なところが好き。美人で、見てて楽しい」


人間に戻れた少年ダン・キンシャサとは、その後ミサくんはうまくいってますか?


ミサ「まあその、ボチボチと……」


リョウくんは、アルマ・キョウト調査官補佐と現在付き合っていますよね? 

あと、ケンジくんは、保安局外務部の部長ミチル・マルセイユと熱愛中ですよね?


リョウ「……」 

ケンジ「……」


役の上のことであって、プライベートは別なんだと、そういうことですね?

はい、わかりました。

では、〜10億円あったら何をする?〜


ミサ「借金を返したあと、AIをゼロから作る。ASIエイジに負けないヤツを」


ミサくんの工作はすばらしかったです。アメ玉は連合のダミーたちを完璧にフリーズさせましたし、クライマックスで高性能代謝メタボライザーミルクを投げたのは見事だった。


ミサ「いろいろ投げたわよね。あんたが入ったキセノン・ラドンメモリも、ぶん投げた。あれ、ものすごくハイライトよね?」


そうでした。

みんなうまくキャッチしてくれましたね。壊れなくて良かった。

そうそう、ミサくんはコミュニケーションツールの革命である中耳マイクも開発しています。あれはスゴい。ただし、ケンジくんのような細かい手術に長けた医者がいないと、装着が困難ですね。

はい、では次の質問。

〜ここ最近で楽しかったこと、面白かったこと〜


ミサ「あたし、いま作成中の別の作品で出演してるの。ナースの役。ヘビースモーカー。楽しいわ」

ケンジ「ぼくはその作品で主役をやらせていただいてます」

リョウ「おれも出てるけど、なんかパッとしねえ役だ」


そんなことはないでしょう、リョウくん。重要な人物の役ですよ。まあ、確かにイマイチな医者ではありますが……。


ミサ「アルマも出演してるのよ。女医の役よ。ケンジの彼女は色っぽい患者の役ね」


そうですか。

告知宣伝、ご苦労さまです。

では、次。〜悲しかったことは?〜


ミサ「パステルプラネット33が、あんまり受け入れられないってことが、少し悲しい。もうね、作者がガンコで、かつ根本的にポップじゃないのよ」


ケンジ「広く受け入れてもらいたいと作者がいうわりに、ものすごく狭い範囲に向けた内容と語り口です。SFのお約束を当たり前のように理解している方々のなかの、さらに限られた読者にしかアピールしていない」


リョウ「なぜかアクションもけっこう入ってるから、もう、わけわかんねえよな」


そういう問題点、作者は承知しているのか、いないのか? 困ったものですねえ。

では次、〜目の前に傷ついた子供がいるとします、どうしますか?〜


ミサ「治安ロボとか救急ロボとかがすぐに見つけるから、人間の出る幕はないわ」

ケンジ「……」 

リョウ「……」


では、〜見覚えがない異性が声をかけてきました、どうしますか?〜


ミサ「なんかさあ、もっと中身のある質問ないの? 33才の寿命限界は解除されて本当に良かったのか? とかさあ」


ちゃんと中身のある質問だと思いますよ。異性に対する考えとか、危機管理の問題とか、社会の裏側への洞察であるとか……。


ミサ「くだらない。パステルプラネットでは、いつも S O S セイフティ・オブザーブ・システムが見てるから、犯罪には発展しないよ。あの惑星はSFのお約束、『楽園ユートピア』なのよ。33才までしか生きられない世界が、逆に天国のような理想の世界なのよ。あたしたちは、それを選ばなかった」


えー、宣伝ごくろうさまでございます。

それでは最後に、読者の方々にメッセージを。


ケンジ「パステルプラネット33を最後まで読んでいただいた皆様。ありがとうございました。問題のある処女作でした。読み進むのに苦痛を伴った方が多かったと思います。そのなか、あたたかいお言葉もたくさんいただきました。この場をお借りしてお礼を述べさせていただきます。ありがとうございました」


他のおふたりからは?


ミサ「次回作、おたのしみに」

リョウ「おう」


これでインタビューを終わります。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

また次回作でお会いいたしましょう。

いや、まだわたくしは別のふたりにインタビューが残っております。また後ほど。


お届けいたしましたインタビュアーは、オリオン腕連合調査部1級調査官、人格ソフトウェアのグレン・シグナトリーでした!





2939、素数。























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