第23話 ヒットしまして。
目を閉じ衝撃に備えたけど…、来なくね?
死ぬのは一瞬的な感じですか?
恐る恐る目を開くが、周りが真っ暗で何も見えない。首も動かしづらいし身体も重い。
やっぱり死んでしまったのか、そう思っていたら……
「ブッフォオ!!ちょwwwやべっ!」
「フィアちゃん?!大丈夫ですか?!」
ヨシュアさんの爆笑する声とレーナさんがすごい驚いて無事を確認する声が聞こえた。
死んでなかったらしい。
「ふごふごふごふごご!」
大丈夫ですって伝えたいんだけど…あれ?
なんか、口にモサモサしたものが……
こ、これは?!さっきまで凍らせていたオオカミの毛?!なぜ?!
「ふぉふごふごご?!(どうなってるの?!)」
『えーっとですね、とっても面白い状況になってるです。』
面白いのはなんとなくヨシュアさんの様子でわかる。めっちゃ爆笑してるもん。なんならこのまま笑い時に出来るんじゃ?ってくらい笑ってるもん。
ちょっと酷くね?
で、これどうなってるの?
『えっとですね、レーナさんに怯えたフォレストウルフがフィアちゃんの顔面にクリーンヒットしまして…、』
ほうほう…で?なぜ私の視界か真っ暗でモサモサなの?
『現在進行形でフィアちゃんの正面側にフォレストウルフがへばりついて震えてます。』
そうなんだ〜…ってどんな状況よ?!
さっきから感じる微細な振動はフォレストウルフか!!
「今剥がしますから、待ってくださいね!」
「ふが!ふごふごふが!(痛!ちょっと待って痛い!)」
「あれ?おかしいですね…ふんっ!」
あ゛あ゛あ゛あ゛〜振動がぁ〜
レーナさんが剥がそうとしてくれているが…
レーナさんの事が怖いフォレストウルフは、離れるどころか私に更にへばりついてくる。
あとレーナさんが触れて引っ張る度に、微細な振動だったのがマッサージチェアみたいな振動に変化する。
「おい、俺がやるぜ…ブフっ」
「笑うか殺られるかどちらが良いです?」
「サーセンした!笑わずやります!」
レーナさんに代わりヨシュアさんがやってくれるらしいが…、表情とか見えなくても怒ったレーナさんは恐ろしい。
「よっと、ありゃ?普通に取れたぜ?」
真っ暗だった視界が明るくなる。
「なんであなたは普通に取れるのよ…」
「お前、怖がられてるんじゃね?」
正解です…、
「あの、お二人共ありがとうございます!」
「いいってことよ!」
「私は取れなかったけどね…、」
め、珍しくレーナさんがいじけモード?!
レアだ!心のカメラで撮影だ!!
「ところでこいつどうするよ?嬢ちゃんにやけに懐いてるようだが…」
既にヨシュアさんから降ろされたフォレストウルフは、私の足元で大人しくお座りをしている。
あ、嘘ついたわ尻尾めっちゃ振ってた。
バサッバサって地味に痛いよ…落ち着けよ…
ただおすわりって言っても私の首辺りまであるんだけど…よくこんなの顔面にくっつけて立ってられたな。私って意外とすごい?
「…、」
何となくフォレストウルフの頭をなでると…
ピコンッ
『補助スキル・テイム』を取得しました。
電子音が聞こえ脳内にエアじゃないアナウンスが流れる。
『フィアちゃん自力でスキルGETですです!
この場合はスキルポイント消費ゼロです!』
撫でただけでゲットとか、ラッキー!
ピコンッ
『フォレストウルフ(特異体)♀』をテイムしますか?
していいのかな?したいな…モフモフだし。
聞いてみよーっと。
「あ、あのー…なんかテイムできるみたいなんですけど、してもいいんですか…?」
「「は?!」」
二人とも驚愕の顔でこちらを見て止まってしまった。おーい起きてますかー??
返事なし。まるで屍のよう…では無いけど。
まあちょっとしたら戻るだろう。
それまでオオカミさんもといフォレストウルフさんと遊んでよーっと。
うぇーい!モーフモーフモフモフー♪
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