ワールドスリープ
夜の型に自分をはめ込んだ
指を丸め、手首を曲げ、腕は肩を抱き
腰を折り、足を畳んだ
形は四角
膝を抱えて夜に消えたんだ
箱の中に朝日は届かない
いったいどれくらいの時間がたっただろう
明日かな明後日かな一年かな十年かな
久しぶりに出たいと思った時には
時間なんて感覚は失われていて
知っている世界なんてありもしなかった
想像していたディストピアはアポカリプスで
人っ子一人いない
浦島太郎は老人になったけれど
今はどうだ? 明日、生きれるか分からない目覚めに
お前は変われたか、なんてメモ書きを見つけて泣いた
箱の傍に寄り添っていた骸骨の頭を撫でていたら
目から涙が出てきてさ
何を悲しむ必要があるんだろう
自分で選んだ道だったはずなのに予想外のカウンターパンチで
K.O.されたからだろうか
それとも待っていてくれた人がいた驚きと、その寂しさに泣いたのか
分からないけれども
そっと頭蓋骨を持ち上げて適当な探索をして準備をして
箱は壊して、もう戻らないよ、と言い朝日を迎えたんだ
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