026: 2018/09/15「頑張って!」/手紙

京子が、リビングに絵はがきを見つけた。

小さいころ、よくむくれていて、おこり出すと大声で手を焼いたことから、両親がムクドリにちなんで「むく」と呼んでまんさせていた。

そんなことを、家に届いた絵はがきを見て思い出した。

今ではSNSで済ませるそういったあいさつもあるけれど、「お店がんって!」とおうえんされる、形の残るものも悪くないな、と絵はがきをもどす。


げんの理由だった学校でのいやがらせに対して、兄2人が中学に上がってから、家族総出の『私服授業参観』でだまらせたのは、あれはあれでやり過ぎじゃないかと苦笑いしてしまう。

それでも、あの日に発表した家族のことの作文で、ひときわ大きなはくしゆもらえたことは、今でもちょっとしたまんだし、クラスメイトがきつてんに遊びに来てくれるようになった。


この家族が、京子にとってほこりだ。

ようすけも、美月も、父のじゆんも、母のはつも。

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