023: 2018/7/14 「たまには帰ってきてね」

「……参ったな、実家からか」


はつてのメールに書かれた、『たまには帰ってきてね』の文言。

同窓会もあるとの、追い打ち付きで。


「えー、なになに? 帰省したーい」


きようしんしんのぞきに来るようすけ

美月もおくれて後ろから見る。


「個性的なむすたちを見せて、あれこれ言われるのは私なんだぞー」

「あははっ」


半ばあきに、陽介と美月のかみをかく。


「お母さん、今さらだろ。公開プロポーズとか、それまでも女子から告白受けておいて」

「……それも言われるから困ってる」


ぽつりと言う京子に対し、苦笑いする初恵。

カウンターでは、暗に「良いじゃないですか」とほほじゆん


「別に、『これが教育方針だから』でいいでしょ」


美月が背中をぽんぽんとたたく。


百合ゆりも、今年は特に大変そうだな……」


ふと、親友の困ったようながおおもかぶ。

あちらも、子供の事情が変わって大変そうだ、と。


「でも、百合なら堂々としようかいしてそうだな。同窓会のネタにもなるだろうし。行くか?」


子供達もとてもうれしそうにうなずいた。

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