#1 新たなる世界
時は2999年。健二は朝、面白いニュースを聞いた。
「電子研究会社ミスターDが、この水がなくなりつつある私達の
地球を心配し、電子世界センターワールドを創るという発表があり
ました。実はすでに開発を進めており、3001年の12月20日
にはすでにその世界が使えるようになっているそうですね!」
「そんなことが実現可能なのか。すっげーな。楽しみ~。」
と、ツナマヨパンをもぐつきながら言う。それとほとんど同じ時間に
桃香と広貴も同じようなことを思う。このニュースは全国に放送され、
全国にその会社の名をとどろかせた。 高校で3人は集まり、その話
で盛り上がった。広貴が大声で言う。「この世界だったら、大人にも
指図されない生活が送れるのか?やったぜ!」と。「おいおい、言い
過ぎじゃないか?」「うふふ、健二達ったら毎日そんな会話してな
い?」確かにと言っているようにうなずく2人。「まあでも、これは
これでいいんじゃないか?」・・・そんな日常は過ぎ。
3001年12月20日。ついに水は全て無くなり、人類は生きる
希望を失い、自ら命を絶つ者まであらわれた。そんな時、2年前に
発表されたあの世界がついに完成する。いきなり全国放送で、
「ついに、2年前に発表されたセンターワールドが完成した模様です。
スマホやガラケーに入っているナビをたどってこの地球からただちに
逃げてください。」緊急速報でも映し出され、世界中がどよめいた。
テレビの言う通りにしてその世界への入り口、そう。センターワールド
への入り口に9時間かけてならんだ。「僕たちもついに入るのか。」
少し寂しいような気がしたが、命のためだと思い込み、その入り口に
足を踏み入れた・・・
目が覚めた。ここはどこだ・・・あっ!そう。ついにセンターワールド
の中にいたのだった。想像とはちがった。何とも言えない凄さにただ、
見事と言うほかになかった。全てがプログラミングで作られているとは
信じられないほどきれいだ。ロボットに導かれて新しい家に住むことに
なった。1日1日のやることが決まっていて、「ここだったら、生きて
いける。」と改めて実感した。
あれから約1年。3人はプログラミング専門の大学で熱心に勉強して
いた。この素晴らしい世界を作った創造主、Dを目指して。欲しい物は
想像するだけでなんでも手に入る幸せな世界にすっかりなじんだ健二は
ふと思う。「あれ。本当の幸せは、これじゃない気がする。」
~つづく~
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