好きな人の好きな人!

黒糖ミルク

第1話 好きな人の視線の先

 ボクは恋をした。


檜山 空 今年の4月から中学2年から転校してすぐの事だった。

相手は同じクラスの吉田 奏...さん


 転校してすぐは不安と学生特有の転校生は特別みたいな愉悦感で変なテンションだった。


 クラス内にはさらに小さく分けられた班というものがあり彼女はそのリーダーと言うことで昼休みにボクを案内してくれた。

その最中ににこにこした笑顔を崩さずに彼女はボクに聞いてきた


「檜山くんはクラスの皆をどう思った?」


「ん~、思ってたより普通」


「それは何と比べて?もし過度な期待か檜山くん自身だとしたらそれは勘違いだよ」


その一言はボクの浮ついたテンションを一蹴し冷静にさせた。


「だって類ともって言うし檜山くん普通そうな顔してるもん」


彼女はけらけらと笑いながらまた案内の続きをした。


 普通そうな顔ってなんだよ・・・内心ぼやきつつ付いていく。


放課後になり彼女の席を見ると机の横にはまだ鞄がかかっているが席に彼女の姿はない


「(部活かな・・・まあ関係ないか、帰ろ)」


この時のボクはまだ気付かなかった・・・常に彼女の視線の先に映る男子の事に


昇降口をでてグラウンドを見るとそこにはサッカー部の練習を眺める彼女の姿が


「(何見てるんだろ・・・そう珍しくもないだろうに)」


彼女の視線は一人の男子、練習用ゼッケンに10を背負っているのを見るに、


キャプテンだろうか


相手が何者かなんてことよりも大事なことにハッとする


彼女が目で追ってるのはあの男子だけだ・・・


放課後になっても何をするでもなく部活練習に打ち込む男子に見とれてれば


嫌でもわかる


―――彼女の視線の先はボクじゃない―――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

好きな人の好きな人! 黒糖ミルク @ya_ten

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る