第4話;ロゼッタの結婚式
「ジョアンナ様、この質問は5回目です!いい加減覚えてください、ちゃんと復習されてますか?この本を読んできてくださいと言ったのに、10ページ?1週間ありましたよね?1週間で10ページとはどういうことですか?」
「ジョアンナ様!違いますそこのしぐさは首を、そうです!上目ずかいはだめです!凛と背筋を伸ばして!だから腰をひねってはいけません!」
ロゼッタは本 <を> たたいてジョアンナを指導している
ロゼッタは指揮棒で <自分>の手を 叩きながら指導している
王宮の一室で繰り広げられるいつもの声・・・・
ため息をつくロゼッタも、いつものことであった
第7側室の部屋
「ルードヴッヒ様ロゼッタ様ってば酷いんですのよ
ロゼッタ様はは本 <で> たたいてわたく指導しているんですのよ
ロゼッタ様はは指揮棒で <私>の手を 叩きながら指導しているんですのよ
酷いと思いません?」
「本当に?それは酷いな、見せてみなさい」
「あ!、残るほど強くではありませんのよ、でも辛くて、もう少し減らしてもらえないかしら、勉強時間」
「まぁ結婚式も近いしそろそろロゼッタも身動きできないくらい忙しくなるからそれまで我慢しろ、それよりも・・・」
「もう、ルードヴッヒ様ったら・・・」
寝室に二人が入っていった
ジョアンナが王宮に入ってからしばらくは第7側室の部屋に通うことが多かった皇太子だった
6人の側室とロゼッタは第一側室妃主催でお茶会を開いていた
庭園に置かれたソファに妃達が集っている
第一側室妃:ミレーヌ公爵令嬢 20歳
ピアノが得意な金髪碧眼の大人っぽい美女
第二側室妃:ミシェル侯爵令嬢 19歳 妊娠中
バイオリンが得意な金髪青い目のかわいい感じの美女
第三側室妃:フェリシア侯爵令嬢 22歳
チェロが得意な茶色い髪で紫の瞳の美女
第四側室妃:エイザベス侯爵令嬢 25歳
歌が得意な銀髪赤眼の妖艶な美女
第五側室妃:レイニア伯爵令嬢 19歳
絵が得意な黒髪茶色い眼のかわいい感じの美女(めがねをとったら)
第六側室妃:マリエッタ伯爵令嬢 20歳
魔法道具作成が得意な赤い髪の青い瞳の美女(ちゃんとしたら)
6人がそろって居る所に最後に現れたのが
正妃(婚約中):ロゼッタ公爵令嬢 18歳
精霊魔法が得意、でも今は内緒、髪は濃いストレートの金髪、紺に近い青い眼の美女
「ロゼッタ様私の隣へ」
「いえ、わらわの隣へ」
第一側室妃(ミレーヌ)と第四側室妃(エイザベス)が自分隣へ来るよう促す
他の妃はいつもの事と傍観していた
ロゼッタは第二側室妃(ミシェル)の隣へ座った
「体の調子はいかがです?ミシェル様」
「はい、つわりはまだありますが体調は良いですわ。」
「良い子を産んでくださいね」
「ロゼッタ様~」
すねた声を出す二人
「クスッ、では席替えしましょう」
ニコッとふたりを見て笑った
「本当にお好きですわねエリザベス様達は」
第五側室妃(レイニア)が暖かい目で3人を眺めて要る
「幼馴染ですもの、こんな可愛いのよずっとそばにいたい」
「わらわは生まれた時を知っているぞよ、もう愛らしい赤子であった」
ロゼッタの手を取り、肩を抱き幼馴染自慢が始まる二人、
第一側室妃(ミレーヌ)はロゼッタの又従兄弟(父方の祖父が兄弟)
第四側室妃(エイザベス)は母方の従兄弟になる、里帰り出産で、生まれたてのロゼッタをみていた
「所であの下賤の娘、教育どうですの?」
「ミレーヌ様、あれはどうしようもありません、無理ですわ、ロゼッタ様のお手伝いに伺いましたが、あれは表に出せません、王室の権威に関わります」
そう言って顔を顰めたのは、秀才のマリエッタだった
「父上が卒業パーティのことを聞き、暗殺者を差し向け様としてたのを止めたのですが、止めなければよかったかしら」
「ミレーヌ様、考えてる事は皆同じですわね、私も止めましたわ、ロゼッタ様が仰ってたから、手を出すなと」
ミシェルが言った
「結婚式は出るでしょうかね、ドレス作るの間に合いますの?それよりもお金はどうするんでしょうね」
エリザベスがそう言うとロゼッタが
「王子から引き出したらしですわ、今回だけでしょうが、王子もそんなに自由に出来るお金は無いですし、趣味の乗馬にお金かけてますからねぇ、次回からは無理でしょう」
「正妃の結婚式のマナー、大丈夫ですの?」
「それが、指導しているのですが、通じて無い気がするのです」
そうレイニアが困った顔で言った
「末席ですし、前に衝立でも置いとくといいでしょう」
「くすっ、そうですわね」
「せっかくの音楽お茶会ですのよ、演奏いたしませんこと?」
「ロゼッタ様、リクエストありまして?」
「ミレーヌ様が作曲された、”春のそよ風”穏やかでやさしい音色が好きですわ」
「では、それを」
穏やかに流れる調べ、ロゼッタは普段の疲れが出たのか気持ちいい音楽の元寝息を立て始めた
「お眠りになりましたわ、本当にお疲れなんですわね」
ミレーヌがロゼッタの顔にかかった髪をなぞる、6人がロゼッタの周りを囲んで、可愛らしい寝顔を見る
この会も実はロゼッタを休ませる為に開かれたものだった
「こう見るとまだ18歳にしてはあどけない、
私たちを孤独から救いだし、私たちの夢を見出し、かなえてくれた、愛しい人」
そう言ったのは第五側室妃(レイニア)
「王子を巡って争うとは思いませんが、ロゼッタ様を巡っては、良いライバルだと思ってますわよ、いかに感嘆の屈託のない笑顔と称賛を貰えるのが、勝負ですわ!」
見合い、笑いあう、ミレーヌと他の側室妃達だった
一向にジョアンナのお妃教育は進まないまま、ルードヴッヒとロゼッタの結婚式になった
「やはり聞いてませんでしたわね・・・は~どうしたものでしょう」
そう嘆く第五側室妃(レイニア)
「やはり衝立と、後方に席を設けたほうがよろしいですわね、メイドと侍従に王にお伺いしてから指示に従うように言っておきますわ」
第一側室妃(ミレーヌ)が指揮をとり行動に移す
側室妃達とジョアンナの装いが全く違うのに気が付かないのか、控室でうきうきしているのが見えるジョアンナだった
結婚式に主役でもないのに真っ白いドレスはNGである、それに公式の場で側室がつけるる腕章も付けていない
ドレスに合わないと外したらしい、公式の場をはき違えているジョアンナ
無理やりつけようとしたら、虐(いじ)めだ横暴だと取り合わない、
結果ジョアンナは側室の席に座らせてもらえず、最後尾の一般席に座らさていた
(なぜ?どうして?主役でしょう私が・・・)
側室たちの忠告も聞かず自分を通して廃除されていた
白いドレスでも腕章さえつけていたら衝立の向こうの末席に座れたものを
それを見ていた王室のメイドや従者は、もうジョアンナは側室ではなく妾として扱うこととなる
貴族からも誰からも舞踏会やお茶会に呼ばれることは無かった
男爵としては逆に胸をなでおろしていた、下級貴族の間だけなら、妾でも王子のお目がにかかったと言うだけで自慢にはなっていた
ジョアンナの様子はミレーヌのメイドからロゼッタの元に届いていた
「あんなに言っておきましたのに・・・聞いてなかったんですね」
「時間です会場にご案内します」
王宮の斎場に各国貴賓や国内貴族有力商人など招待された大勢の人
ルードヴッヒと腕を組み大きな会場の中央をゆっくりと歩き中央の祭壇の前に立つ
周りは感嘆のため息が聞こえる、美しい優雅な身のこなしの正妃に気品あふれる王子
誓いの言葉を述べ、指輪の交換をして、軽くキスをする
流れの様に結婚式が済、お音楽と祝福の歓声と鳩が飛び立っていった
すばらしい結婚式だった
一人後方で呆然とその様子を見て、自分に状態を理解できていない者が一人
サイドに立つ側室妃達も喜びの拍手を送る
祝いの晩餐会
「おめでとうございます、」
代わる代わるお祝いを述べに来る有力者たち
最後に側室妃達が挨拶に来ていた
「素敵でしたわロゼッタ様」
「ありがとう」
「夢が1つ、かないましたね」
祝福してくれる6人、ロゼッタの心が壊れるのも知らずに
王太子と正妃の寝室
ロゼッタはドキドキしながら、メイドが整えてくれた夜着を纏ってベッドに座っていた
ルードヴッヒが部屋に入って来た
黙ってロゼッタの横に座ると何も言わずに押し倒してきた
「・・・・ルードヴッヒ様?」
いきなり行為が始まった
「えーとあの・・・」
キスも無く行為が始まり焦るロゼッタ、
聞いて、色々と妄想していたのと違う行為に戸惑う
「これは義務だ、仕方がないから抱くんだ、意味は無い」
「あうっ痛い・・・」
行為の痛さと胸に突き刺さる痛み
(そんなにも、私のことをもう好きではないのですね、胸の方が痛い苦しい、辛い)
「私がお前にプロポーズした?何度も何度も言うが、いつの話だ10歳の子供の戯言をいつまでも」
ルードヴッヒが蔑んだような目を向けた
「気持ち悪いんだよ」
パリンッ
心の中で何かが割れた
学生服の自分がいた
「好きな人が出来た別れてくれ」
目の前の男子が言う
「え?昨日初めてのえっちしたばかりなのになぜ?」
「・・・やりまんかと思ったら処女なんて、見た目と違いすぎ!
気持ち悪!
すぐやらせてくれると思ったから付き合っただけ、本命はもともと別いるんだよ、もう近づくんじゃねぇ」
パリンッ
訪ねたアパートの入口で
「その女何?」
「煩いんだよ、こっちが本命!」
「捨てないで、2番目でもいいから」
「気持ち悪いんだよ!」
パリンッ
帰ってきた自分部屋で、男同士が重なっていた
「敦!何で?、ゲイだったの?」
「あなたじゃ物足りないのよ!」
「言う通りにしてたじゃない」
「気持ちのない行為なんて・・・逆に気持ちが悪いのよ!」
パリンッ
「一生大事にするって言ってたのに」
娘を抱いている私、浮気相手を連れてきて離婚届を目の前に
「頼む別れてくれ、貯金は全部お前にやる、養育費も払う」
「愛人は許すって言ってたよね?」
「悪い、こっちが本命になっちまった」
「本当に言ったのそんなこと!信じらんない、きもっ」
浮気相手が言った
パリンッ
「末期の乳がんです、手の施しようがありません」
「愛理(あいり)」
泣き崩れる両親
「愛理(あいり)!」
「愛理(あいり)!」
誰がが呼んでいる
「ロゼッタ!」
目の前の男が呼んだ
(え?)
・・・1話冒頭に繋がる・・・
精霊が部屋の中を舞う、ロゼッタの部屋
「ロゼッタ様?」
「ジュリアーノ・・・私ってどんな人間?」
「どうされました?」
「全身で拒否られる自分って・・・」
「庶民の様な言い方ですねどうされました?」
「すごく胸が痛いの、心が痛い、ルードヴッヒ様の顔が見れなかった、なんだかとても恐ろしくて」
「そんなに・・・傷ついたんですね」
「そんなに弱くないと思っていたのに」
「人はそんなに強くないですよ、傷ついたなら私が居ます、父上母上様がいます、貴方が大好きなルナとマリアも居ます、側室の皆様も皆ロゼッタ様の見方ですよ」
「そうです、ロゼッタ様」
泣きだすメイドたち
「ロゼッタ様は、何事にも一生懸命で、思いやりがあり、自分のことよりも他の人のことばかり考えていて、それが命に関わろうとも、自分よりも人の為、相手が幸せだと言ってくれた時の笑顔が好きだと言う、尊敬する人ですよ」
「私の恋も仕事も応援してくれて、婚約できたのもロゼッタ様のおかげです」
そう自分の左手の指輪をさわるジュリアーノ
休むからと言うと3人も部屋から出て行った
「うあぁ~凄い世界に来ちゃった~」
クッションに頭を埋めて呟いた
「何?あの高評価!」
がばっと体を起こすとゆっくりと周りを見る
「豪華な部屋、あの扉が王子の部屋に直結してる・・・塞ごう」
魔法で本棚を移動ドアを塞いで魔法で固めた、部屋には自分居る時は許可したものしか入れなくした
「小さい時からやりたい放題わがまま放題して来たのに、それが何故かいい方向に行って皆に感謝されてたなぁ・・・自分的には我が儘なんだけどね・・・自己満足の為にして来た・・・王子にはそれがばれてたのかもね、とりあえず、王子には会わないようにしよう・・・心臓が持たないわ・・・マジで恐怖感じて・・・)
身震いするロゼッタ
「しかし前世の私も男見る眼無いわ~全部寝取られてんの・・・馬鹿みたい・・・・んっ?・・・・うわっ王子が来る逃げよう」
クローゼットを見つめると瞬時に着替えて何処かに転移して消えるロゼッタ
「困ります、王子、まだ調子が悪いのです休ませてあげてください」
「黙れ!だれにモノを言っている開けろ」
「・・・」
しぶしぶ開けるマリア
「居ないぞ」
「え?・・・あ・・・逃げた」
「何?どう言ううことだ!」
「たぶん、王子の気配を感じて移転魔法で逃げたのだと思います。」
「移転魔法~!上位魔法じゃないか!」
「これからも、会えないと思います、公式の場以外会わないと宣言されましたので」
「上位魔法使うのか?」
「超級魔法も何種類か使えた筈です、都市が吹っ飛ぶから使えないと、おっしゃってましたが」
「・・・・」
それからも、ロゼッタは王子の気配を察知して、逃げまくっていた
部屋は隣なのに会えないおかしな夫婦だった
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