『ガーデンオーダー』リプレイ「白亜の罪状」

宮前薫

◆プリプレイ◆ 殉職刑事と中東帰り

宗蔵むねくら:いえーい! 録音しちゃうぞー!

宮前みやまえ(以下、GM):えー、コホン。プレイヤーさんの紹介としては、お名前とガーデンオーダーの経験回数、普段遊んでいるゲームを教えてください。

宗蔵:お、真面目なGMさんがいる!

氷雨ひさめ:まじめだまじめだー!

一同:(笑)

宗蔵:プレイヤーは宗蔵って言いまーす。ガーデンオーダー、僕初めてなんです。ルールブックは買ってたんですけどいわゆる積みルルブみたいな感じになってて、今回やらせていただくということでちょっとドキドキしてまーす!(キャッキャッ)

GM:わーそうなんですねー! よろしくおねがいしまーす!(キャッキャッ)

宗蔵:TRPG経験としましては、普段はインセインやダブルクロスやってます。異能モノが好きです!

GM:キャラクターの紹介は、お名前とコールサインがあればそれを。あとは特性能力と得意な技能、キャラクターの歩いてきた人生なんかもお願いします。

宗蔵(以下、時吉):キャラクター名は時吉敬一郎ときよしけいいちろう、48歳男性。特性能力は《空間歪曲フィールドディストーション》です。普通の家庭に生まれて普通に育ち、警察に入りました。刑事になって平々凡々と暮らしてはいたけれども、ある時事件に巻き込まれ、オーダーの能力に目覚めてしまいました。対外的には殉職扱いで、家族には死んだと知らされています。境遇が“死と再生”なのでね。

GM:ご家族?

時吉:妻と娘が一人います。今は多分中学生ぐらいなんじゃないかな。会いてえなあとは思っていても、もちろん言わない。

GM:戦闘は、近接型ですかね。

時吉:基本的には〈近接攻撃〉ができます。自分の特性能力を見て、それに合う戦い方を判断して訓練をしてきました。こっちの気分としてはバディのお守りをしている感じです。向こうはこっちに目を光らせているつもりだろうけどね。若いお姉ちゃんなので……何歳いくつだっけ?

氷雨:28。

時吉:二十歳はたちも離れている 。そらもう若いお姉ちゃんですよ。

GM:ではそのバディ……というか監視官、自己紹介をお願いします。

氷雨:氷雨でーす、よろしくおねがいしまーす!(キャッキャッ)

GM:よろしくおねがいしまーす!(キャッキャッ)

氷雨:いつもシノビガミやインセインをやっています! ガーデンオーダーはこれが2回目!

GM:いつもお世話になっております! ありがとうございます!

氷雨(以下、シシリー):キャラクターの名前は樋富ひとみシシリー美里みさと。元々の名前がシシリー。「美里さん」と呼ばれると嫌がります。

GM:ご両親にもらった名前なのに?

シシリー:親にもらった大事な名前だから、家族以外の知らない人に馴れ馴れしく呼ばれたくないんです。「シシリー」って呼ばれる方が平気。

GM:なるほど。

シシリー:元々中東の紛争地域で、いわゆる少年兵をやっていました。人道支援で平和な国に引き取られ、資産家である樋富家にもらわれてきた養子です。優しく育ててくれた義理の両親に恩返しするために、必死で勉強して大学にストレート合格。そのまま警察に入ったエリートです。一応キャリア組だけど、ここにいる理由はたった一つ。紛争地域出身で戦闘慣れしているから、オーダーの監視官に自ら志願しました。

GM:これだけ強かったら適任ですよね。

シシリー:得意な技能は〈銃器〉、〈回避〉、〈観察〉、〈コンピューター〉、〈調査〉です。

GM:〈銃器〉225%……。

シシリー:クリティカル値45%で4回撃てるよ。

時吉:意味がわからん。俺いらなくない?

シシリー:いえいえいえいえ、警察官が直接手を汚すのは良くない。あなたは私の武器でしょ?

時吉:頭を抱えるわ。

一同:(笑)

GM:どういう経緯で二人は組むことになったのですか?

シシリー:たぶん一番めんどくさい能力者だからじゃない? 自分の能力で抜け出せちゃうし、その上元警察官だから、下手な人間がそばにいたら逆に手綱を握られてしまうもの。

GM:ああ、確かに。

シシリー:シシリーはそこを切り離して物事を判断できて、なおかつ通常の警察官よりも純粋な戦闘能力が高い。志願した際に、「キミにちょうどいいのがいるんだよ」って言われてあてがわれたんだわ。

GM:逃げようと思ったら逃げられる能力なのに、なぜ逃げないのですか?

時吉:……だって、ねえ? 殉職扱いになっていて、一応「家族は幸せに暮らしてるよ」って言われているんだよ? その状況で逃げようとする?

シシリー:ちなみに、いつ殉職したことになってるの?

時吉:それは能力の覚醒時期と関わってくるんだけど……目覚めるのっていつでもいいんだっけ?

GM:いつでもいいです。

時吉:なら、そうだなあ……昔は脱走しようとしたこともあるけど、10年も経っていたら抜け出す気も失せるぐらいにはなっているんじゃないかな。だから大体10年くらい。

シシリー:じゃあ、娘さんが小学校に上がるか上がらないかって頃に生き別れたんですね。

時吉:そう、ランドセル買ってあげたのになあ。そっから殉職したんだよなあ。風の噂で再婚しただのなんて聞いた日にゃあどうなっちゃうか……。

GM:聞いたんですか?

時吉:いや、してないらしいと聞いている。再婚してくれたらいいのに、と個人的には思っている。

シシリー:殉職なんかしたら、相手の心に一生残りますね。良かったですね(にっこり)

GM:なんで死んでしまったんや……。

時吉:警察の最後の温情として殉職扱いにしてくれたのが仇になったなあ。単なる失踪にしてくれてもよかったのになあ。それでも保険金は入ったのになあ……。

GM:(深く息を吐いて)では、トレーラーを読み上げます 。



少し、昔話をするとしよう。


今から遡ること20年前。

人々は二つの脅威にさらされていた。

一つは人類の敵ネフィリム

もう一つは、人ならざる者たちオーダー


オーダーは人間に危害を加えないよう厳重に管理され、

ネフィリム討伐の過酷な任務に送り込まれていた。


外に出ても自由なんてない。

監視役の人間が常に傍に付いていたからね。


オーダーと人間。

彼らは確かにバディだったけれど、

ふたりを繋ぐきずなは、重い鎖でできていたんだ。


ガーデンオーダー

「白亜の罪状」

仲間と共に、闇に蠢く彼の敵を討て!

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