ジェーンの休日

白百合ねこ

第1話 あの人

微かに残るあの記憶。

お日様のように優しい懐かしい匂い。

毎日のように追っかけて甘えたりした

大きい身体で抱きしめてくれた

一体この記憶はなんなのだろうか?

私の以前の記憶 というものなのか

だけど大事な筈なのに思い出せない。



「待って!!!」


そう叫ぶと同時に目が覚めたのだった。

「何だ……夢か……」

この体になってからおかしな夢を見る

知らないのに知っている誰かと過ごした日々

知ってる筈なのに思い出せない思い出

色々な気持ちが混じり複雑だ。


朝日に照らされた部屋のドアを見て


「今日も頑張ろう」 と呟いた。


時計の針は6時を指していた。


(お腹空いたなぁ……朝ごはん朝ごはん)


食堂に向かう途中誰かに声をかけられた

「おはよう、いい朝ねジェーン」

声の方を向くとプリンセスが立っている

「おはようございます、プリンセスさん」

ジェーンもぺこりとお辞儀をして言った


ジェーンの1日のスタートである。


ガヤガヤ……ガヤガヤ……

食堂はいつも通り賑わっていた

「あ!この前綺麗な石見つけたんだぜ!?」

そう言うとポケットから綺麗な石を取り出したイワビー「ほら!見ろよ見ろよ!!」

「ほぇ~すごく美味しそう~」

フルルも石を見つめる

「食いもんじゃないぞ!?フルル!」

イワビーは慌ててフルルに言う

(わぁ!!綺麗な石ころ!!)

ジェーンはその石ころに釘付けだ。

「綺麗だな、どこで見つけたんだ?」

とコウテイはイワビーに尋ねた

「あ、これか?裏山だぜー!」

(裏山……!!)

「……?ジェーン何にやけてるんだ?」

イワビーが不思議そうに見ている

「あ、いえ!何でも無いですよ!!」

「そうか!実はジェーンにあげようと思って」イワビーはそう言うと違う石ころを取り出した。「ほらよ!」っとジェーンに渡す

「わぁ!!凄いですね!!」

キラキラした丸い石ころ。肌触りもすべすべしていて石ころマニアの自分には申し分ないくらいの1品だ

「イワビーさん、頂いても良いんですか?」

ジェーンは幸せそうな顔で言う

「えへへ!!当たり前だろ?」

(やった!貰っちゃいました!!)

「ありがとうございます!!」

お辞儀をするジェーン

「ほわぁ~ジェーンの髪いい匂い~」

長いサラサラの髪が揺れる

「フルルさん、食べちゃダメですよ!?」

「そうだよ」とコウテイも言う

「フルルの印象って食いしん坊なのかな~」

「ええ、今更かよ~!」

笑う4人の元に誰かが走ってきた。

プリンセスだ。

「おまたせ!!」」


「よぉ!どうだった?」

「例のアレ、どうだったんだ?」

「ワクワク~」

「気になります!!」


「じゃーーーーん!!」

そう言うとプリンセスはヘッドホンを見せた

5人の特徴を捉えたカラーのヘッドホンだ。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ジェーンの休日 白百合ねこ @sirayuricat

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ