第3話 親友ではなかったのでしょうか

 高校では、親友とともに山岳部に入部しました。

 いえ、親友というのは周りの目から見た僕らの関係です。また、僕が勝手にそう思っているだけかもしれません。しかし彼はいつも一緒に遊びますし、趣味も近くて仲がいいのです。小学校から一緒で、中学での文化祭ではともに出し物をしました。


 そんな仲のいい彼が、高校に入って変わってしまいました。

 それまで優しく、誰にでも笑顔で、暴言なんて言わなかった彼が、大きく変化しました。

 何かあるとすぐに「バーロー」だの「ダーホ」だの「ファッ○ュー」だの、暴言を吐くようになりました。

 言っては失礼ですが、何が出来るわけでもないのに人を見下すようになりました。

 人は変わると言いますが、なんのきっかけもなく短期間で、悪い方向に変わるものでしょうか?


 問題はこの、変わってしまった親友と、部活で登山をしている時に起きました。

 そこは比較的高いところにあるため背の低い植物ばかりの、景色もさほど綺麗でもない道。正直言って僕も、先輩達も、部員みんなが飽きていました。

 そこで彼が、突然言ってきたのです。


「俺、お前を相棒だとは思ってないから」

 いや突然なに!?

「そう……か」

「生き別れとか片割れでもないんだしな」

 何を言い出すんだ!? なんのアニメに影響された!?


 ……理解不能な事を言うことは変わってなかったようです。

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