教えて!空海さん。

白浜維詠

第1話 教えて!空海さん。

智泉くん10さい。(後の智泉大徳)


「どーも、インタビュアーの智泉でーす。今日のお相手は叔父の空海なんであまり緊張してませーん」


弘法大師空海

「こら、仕事中には気を抜くんやない!」


智泉

「それでは自己紹介を」


空海

「(カメラ目線で)あ、どーも本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身で、坊さんになってから空海と名乗ってます。

時代劇、嵯峨野の月のダブル主役の片方です。まー平安初期に唐留学で箔付けて、帰国後にダブル主役の嵯峨天皇はんに


めっちゃ気に入られて…こき使われましたな。棒ひと突きで温泉出したり井戸出したり、いろんな金剛伝説残しておりまーす」


智泉

「いきなり金剛伝説(ぷぷっ)、犬派ですか?猫派ですか?」


空海

「猫萌えに決まってますやろ。当時日本にはほとんど居なかった猫はんに、留学時代めっちゃ萌え狂いましてな…これは修行の妨げになると思って、今でも高野山では猫飼っちゃいけない決まりに…しました。」


智泉

「大切な方は?」


空海

「母の玉依御前です(きっぱり)。母上いてこその自分…スマホの待ち受け見てみ」


智泉

「うわあ、玉依さまの写真だあ、って、母親のアドレス『ままりん』で登録してる…


次の質問、10億あったら何します?」


空海

「寺か大学を、建てます。ぶっちゃけ貴族の学力レベルがひっくい時代でして、時の帝、嵯峨帝が『朕と側近以外、みんなバカなのか?』とぶちギレましたんや。かーらーの、種芸種智院(今は洛南高校)から始まる私立大学ブーム」


智泉

「最近、楽しかったことや面白かったことは?」


空海

「お経でも仏教論でも、ものを書いてる時はめっちゃ楽しいで。楽しみは、打たれがいのある素敵な滝を探すことや

好きなことは…ここ弟子には内緒でな、

猫カフェでまったりです」


智泉

「悲しかったことは?」


空海

「愛弟子に先立たれたことやね」


智泉

「差し支えなければ、誰ですか?」


空海

「それは、個人の情報なので(本人を前に言えるかいな)」


智泉

「傷ついた子供がいたらどうしますか?」


空海

「まずは助けて手当てをして、親元があれば帰し、身寄りが無ければ、弟子にします」


智泉

「だからいつも剃刀携帯なさってるんですね…


次の質問、異性が声をかけて来たら?」


空海

「まずは悩みを聞いて解決法を探し、ハニートラップだったらすっ飛んで逃げます」


智泉

「ここからは自由質問なんですが…ぶっちゃけなんでこのインタビューにこたえる気に?」


空海

「なんか、面白そうだったから」


智泉

「最近の高野参りとお遍路ブーム、どう思います?」


空海

「悩みは人それぞれやし、『変わりたい』と思って事を起こすのはええことや。体に気をつけてな」


智泉

「では最後にメッセージを」


空海、再びカメラ目線

「平安初期の日本はじめて物語が一杯詰まった『私、歴史とか苦手なんですけど』な読者向けに白浜が書いた時代劇、『嵯峨野の月』、いっぺん読んでみてー。これから宮中ドロッドロの展開になるから」


智泉

「やっぱり最後は宣伝でしたー。スタジオ帰しまーす」













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