第2話 明鏡の部屋、ゲスト嵯峨天皇
るーるる、るるるるーるる~♪
明鏡・東宮の宮女17才。
「皆様、明鏡の部屋をご覧いただいて有難うございます。
本日のゲストは、平安初期の辣腕政治家でいらして、
空海さん橘逸勢さんと並ぶ日本三大能書家でいらして、
華道の生みの親でいらっしゃって、それ以外にお子様52人(あるいはそれ以上)の父親で徳川家斉さんの次に子だくさん歴史上の人物の、嵯峨帝さんと、異母兄でいらっしゃる良岑安世さんに、お越しいただきました~」
嵯峨帝
「私の尺を取る気か!?それに玉ねぎのヅラを被って遊ぶでないぞ」
明鏡
「はいはい(ヅラを取る)、ではお二方、自己紹介を」
嵯峨帝
「(斜に構えながら)はい、本名、神野親王。京都府長岡京市出身で、主な経歴は、第52代天皇でした。13年で退位して弟の大伴に譲ってからは悠々自適、という訳ではなく淳和帝の政治的アドバイザーもやってました。小説『嵯峨野の月』のダブル主役の一人です」
良岑安世
「(カメラ目線で)その兄の安世です。京都府長岡京市出身、桓武帝の皇子で姓を貰って臣下になって、弟の神野を支え続けました、最後の役職大納言です。
小さい頃から何でもできて優秀過ぎて、兄弟より出世しちゃった!
キメのセリフは『光源氏のモデルって…俺じゃないの?』で壁ドンするのが得意です」
明鏡
「まああ、嫌味なぐらい何でもおできになるお二人ですが、犬と猫、どちらがお好きでしょうか?」
嵯峨帝
「鷹が一番好きなんだけど、犬は従順だから好きです」
安世
「猫、かな。あのくねくねした所とツンデレな所が女人みたいでたまらない」
明鏡
「お二人の本性が透けて見えるお答えですわね、ずばり大切な方は?」
嵯峨帝
「妻の橘嘉智子です(きっぱり)、生前は奥さん30人以上いて、シフト表作って奥さん達に逢いに行ってたのは大変でしたが今となってはいい思い出です」
安世
「いちおう弟で主人でもあった、隣の席の人です」
明鏡
「一夫多妻って大変ですのねえ…シフト表って、あなた店長ですか?平成の女性が聞いてたらドン引きですわよ。
次の質問です、もし10億あったら?」
嵯峨帝
「うむ、書き溜めておいた『俺の鷹狩りマニュアル3』と素敵なポエム、漢詩集を自費出版し、余ったら寄付します」
安世
「それ、非課税?ああそう、雅楽と女人舞楽ユニット劇団を作りたいなー。もちろん俺がプロデューサーでー、軌道に乗ったら余ったお金は寄付する」
嵯峨帝
「音楽と女人、二つの好きを見事合体させた野望だな」
明鏡
「最近、楽しかったことや面白かったことは?」
嵯峨帝
「面白き、事も無き世を面白くするのが私のモットーなんで、ツイッターで『管弦なう』と友達誘って管弦の宴するのが楽しみかな?ああそうそう、アキバに行ってメイドカフェ行って萌え萌えにゃんにゃんしてきたがあれは楽しかったぞ」
安世
「あれは良い。私だったら奈良時代宮女コスプレさせて宮女カフェ作るかなー」
明鏡
「お二人ともリア充を満喫してらっしゃるようで…悲しかったことは?」
嵯峨帝
「やっぱり空海に先立たれたことかなー…」
安世
「そうですねー、父は桓武帝、叔父は早良親王と結構ハードな家庭環境だったけど、母の永嗣に先立たれたことですね」
明鏡
「なんかしんみりしてしまいましたわね…次の質問、傷ついた子供が居たらどうしますか?」
嵯峨帝&安世
「まず引き取って手当てさせて、氏素性を調べさせて、出来そうな子だったら舎人か采女にします」
明鏡
「人材不足の世の中でしたからねえ…私も色々家庭の事情で宮中に入ったクチですが。そこは『嵯峨野の月』を読んでいただいて、と。
もし、異性が声を掛けてきたら?」
嵯峨帝&安世
「まずは歌のやり取りをし、フィーリングが合いそうなら交際を検討したうえで氏素性を調べ上げて、妻にします」
明鏡
「来るものは拒まず、の姿勢ですのね。そこが現代の殿方とは違うおおらかさですわね。かわらけ(器の小さい男)と付き合うのは時間の無駄ですもの。
ここからは自由質問ですけれども、今の若者について一言」
嵯峨帝
「頑張ってるよね。『これだから今の若い者は』なんて言う年寄りの愚痴なんて気にしなくていい。そういう奴ほど若い頃もっとイタイ事してきたんだから。やりたいことどんどんやりなさい」
安世
「白浜は震災の時頑張ってる学生ボランティア見て『若者ってすげえ』と感動した方でして。ガタガタの屋台骨だった平安時代の内政をなんとかしたのは、私ら若い世代だったからね」
明鏡
「では最後にメッセージを」
嵯峨帝&安世
「次回からやっと連載再開、私らがどんどん活躍するサガツキ、読んでね~」
明鏡
「まあ番宣は様式美という事で、明鏡の部屋、今回のゲストは神野親王こと嵯峨帝とお兄さんの良岑安世さんでしたー」
ちゃらららーらーらーらーらーらーらー、らーらーら~♪
明鏡
「あ、最後に神野さま、高杉晋作さんに謝っておいて下さい」
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