第2話 病室奇譚 人情のキャバクラ

(寸劇)

・登場人物 

キャバクラ経営者(兄貴)A  見舞いの若い衆(舎弟)B


病棟の食堂を兼ねたラウンジ

兄貴A 、お茶を食堂の自動の機械で2つ湯のみに汲んで出す。

舎弟B、おもむろに立ち上がって、頭を下げる。


B:俺も、若い時は右も左もわからないじゃん、で、最後に行くところは決まってるからさぁ。

A:みんなそうだ。

B:・・・うなずく

A:でな、お前に言っとくことは、頭を下げろってことだ。

A:それは、こうやって、頭をただ、下げろってことじゃないぜ。

A:心の中で、誰もいなくても、世間様に感謝しろってことだ。

B:・・・うなずく

A:客があって、俺らが、生きてけるってことだ。

B:で、あにきっ。

A:客があって、キャバやってらるんだろうが。

B:いや、あにき、鶯谷の連中がまた、入れ込んで来てるんですよ、で、それ、兄貴が、ここ出てくるまでに、、、

やっとこうと思って・・・

・・・間・・・

A:そうか、それは俺がやるからいい、行くところは決まってるからなあ。

B:あにき・・・

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