遊星より、
あの日はあなたもご存知のとおり
降ってくるには絶好の星空でした
ぼくは月のひかりに流されないよう
必死に流れ星のしっぽにしがみついて
夜のはじっこに着地しました
記念すべき初上陸に
ぼくはといえば空を見上げて
すっかり遠くなったあなたを探したものです
探さなくてはあなたが見えないことに、そのとき初めて気づいたからです
あれから少しの時間が経って
ぼくも少しは慣れてきたつもりです
皮膚と空気の境界線や、
声で気持ちを伝えること、
それから焼きたてのパンの香り
そうそう、海は思っていたより
ずっとしょっぱかったです
あなたももうすぐこちらに来る頃だと
風の便りに聞いています
そのときは
生まれて初めて、握手をしましょう
愛を込めて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます