異世界転生なんてありえない!
さっちん
第1話 生きているようで、死んでいるようで。
「ご飯よ、起きなさい!」
母さんからの声で目が覚める。今日もまた面白味のない1日が始まった。
時刻は7時、家族4人みんなで朝ごはんを食べる。いつも通りに。白いご飯に、目玉焼き、ふりかけや納豆、漬物とかのご飯のお供。これもいつも通り。
制服の学ランに着替えて、教科書をリュックサックに入れる。イヤホンでバンプを聴きながら家を出る。
「いってきまーす」
6月はもう暑くなり始めていて、学ランを脱ぎたい衝動にかられながら最寄りの駅まで歩く。路線が1つしかない小さな駅だけど、7時30分というこの時間帯は流石に人がせわしなく歩いている。
体が密着するくらい混んでいる電車にかなり強引に乗り込みリュックを下ろして、ポケットからスマホを取り出しTwitterを開く。特に面白い内容はなくて、いくつか”いいね”してからゲームを開く。クエストの途中で降りる駅に着いてしまったので仕方なくポケットにしまい、歩き始める。
ああ、また今日も代わり映えしない学校が始まるんだ。
終わってみれば、やっぱり昨日と変わらない1日だった。違うのは時間割くらいだろう。
授業を聞いているフリをしてボーッと過ごし、たいして仲がいいわけでもない何人かの友達とヘラヘラ笑いながらおしゃべりして、終わりのHRが終わったらその友達と帰った。
家につくと、自分の部屋に行って特に何をするでもなく時間を潰す。親は共働きで弟は毎日部活なので、家には一人だ。ニコニコやYouTubeを見たり、2chまとめサイトを見たり、録画したアニメを見たりする。
するはずだったのだが‥‥。
「おかえり。」
全く見覚えのない女の子が、自分の勉強机に座っていたんだ。
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