設定姉弟たちとイメージカラー
「先日、ミド姉と名前の話になってさ~」
ある日、モモと喫茶店アルバイトのシフトに入っていたときのことだ。俺は、先日のミド姉による名前についての大発見を興奮気味にモモへ伝えた。
「それはすごいね! 気づかなかったよ!」
「でしょ? ミド姉もよく気づいたものだ」
「『
「なんとなくだけど、イメージカラーとも合致しているんだよね」
名前から無意識にそう思っていたのかもしれないけど、ミド姉は緑色、モモは桃色って感じだ。
……あれ? けど
「
「確かに……。それって、髪の色がそうだからそう思うだけなんじゃないの?」
「まぁそうだけど、実際あの金髪はインパクト大きいよ。あれで地毛らしいし、綺麗な色してるし」
この考えだと、金髪の人のイメージカラーがみんな金色になってしまいそうだ。まぁ、イメージカラーなんて、その人の第一印象みたいなものだし、仕方がないのかな。
「
「……それって、俺の影が薄いとかそういうんじゃないよね?」
「違う違う! 何ていうか、誠実で嘘とかつかなそうだから、裏表がないような感じなのかな!」
ちょっと卑屈になってしまった。そんな風に思ってくれていたなんて嬉しいな。少し照れくさい。
「じゃあ
「
俺も大樹のイメージカラーについては異論がない。CMで起用される様な、冷たい飲み物を表すあの表現が大樹には合っている。
「それじゃあ、マスターはどうだろう?」
「マスターはやっぱりあれじゃない?」
俺もマスターのイメージカラーは確信を持っていた。
「「黒だよね!!」」
偶然、モモと言った名前の色がかぶる。茶色とか焦げ茶色とかの色だって有り得そうなのに被るなんてね。
マスターは何といっても渋いからな! バーテンダーの着ているような『ブラウン』の制服もすごく似合っているし、ビターな大人な男性って感じだ! 憧れるよなーー! あの渋さ! 飲むコーヒーは絶対ブラックに決まっている。
「ふっ……」
ふと厨房でコーヒーを入れるマスターの表情が緩んでいるのを見て、俺とモモもお互いに小さく笑ったのだった。
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