岡村翔平と最高の友達

 ある日、バイト仲間でもある桜井桃果さくらいとうかと同じシフトに入っていた時のことだ。


「モモって、どういう漫画が好きなの?」


 共通の趣味を持つモモの好みが気になり、そう質問した。


「そうだなー。色んな漫画を読むよ。ラブコメ、頭脳系、ギャグ。あとは少女漫画とか」

「じゃあさ、バトル漫画はどう思う?」


 先日、金髪バカ女にバトル漫画のことを散々言われたからか、他の女子がどう思っているか気になる。


「バトル漫画? もちろん大好きだよ! ああいう現実では百パーセント起こりえない非現実を感じるのにバトル漫画ほど適した書物はないよね!」

「おぉ! やっぱりそうだよね!」


 俺の価値観と同じモモの意見を聞いて、俺は無性に嬉しくなる。


「モモ! 俺はモモと出会えて本当に良かった!」

「しょ、翔平しょうへいくん。いきなりそんな……」


 ここまで趣味の価値観が合う人と巡り会えるなんて、よほどの幸運だ。俺の素直な気持ちを言うと、モモは照れ臭そうにもじもじした。


「モモは、俺の最高の友達だ! ずっと友達でいよう!」

「う、うん。そうだね。ハハ……」


 モモにありったけの俺の嬉しさを表現するが、何故かこっちは愛想笑いされた。


 あれ? 俺、何か間違えた?

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