第5話 このまま僕は消えていいのか?

ふらふらと心と体が一致してない…

あぁ懐かしい、昔の感覚だ。

今が夢の中なのが現実なのか分からない…

それが怖くてまた手首を赤で濡らす。


あーあ、久しぶりに派手にやったなと手首に包帯を巻いて長袖のパーカーで隠す…

大学に入って楽しいことが多かった。

楽しむ自分がどうしてもいた。

それは喜ぶことなんだろうけど、反動が半端ない。


こんな僕が生きたところで何万人の人は変わらない。

僕が手首を切ったところで何万人の人は僕に自殺願望者という札を貼り去っていく。

きっと部活のみんなもそうなんだ…

と思って気づいた。

こんなに人のことを気にして大切に思うなんて…初めてだ。

僕今、恵まれてる。

こんないい人達に囲まれてる。

僕、もしかして幸せな環境にいるの?

僕、もう幸せになっていいの?

そう思った瞬間に雨が降ってきた。


でも、もし僕が消えたところで何万人の人は変わらないし、僕を憎む人がいなければ損したことに変わりないや。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る