第9話 終わった日

「雪さん、貴方の未練は本当に無くなりましたか?」

 そう声をかけてきたのは、雪が成仏した時の担当者だった。

 天使なのか悪魔なのかも分からない彼に雪は、

「はい。」と短く答えた。49日で人は転生をするが、未練がましく一年以上いた事を怒られた雪は、しばらく天国でも地獄でもないこの場所で雑用をさせられていた。

「49日を過ぎて滞在したペナルティはまだありますが、そろそろそのペナルティも込みで転生してきてください。あなたの次の家はあそこです。」

 視界を遮るように舞う花びらの隙間からその家庭を見た雪は

「陽太。」

 と泣きながら笑っていった。


 完結。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ついて、いった 吉川元景 @motokage_K

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ