出会いを求めて僕は、今日も歩く

和一狼

 目的を決めて散歩をした

 休日は、いつも暇だ。

 特に友達が多いわけでもないし、バイトもやめたし、お金もないし、そんな俺の暇をつぶしてくれるのは、散歩だ。


 いつも自分の住んでいる町の観光地を調べてどんなに遠くても歩いていくのが俺の最強の暇つぶしだ。

 今日は、インターネットで検索して見つけた大きな桜の木を見に行くことに決めた。9㎞も離れところにあるが大丈夫だろう・・・やることないし


 最近、散歩を始めて思ったことだが同世代の人を外で見たことがない。

いるとしても60代後半のオジサンやオバサンばかりだ、これは俺が田舎に住んでいるのが原因かもしれないがそれでも若い子が歩いていないそんな考えをしながら歩いていた。


 おなかが空いたのでコンビニによって買い物をしたアメリカンドックとから揚げとお茶だ、コンビニを出てまた歩いた。

 最近友達が言っていたことを思い出した。

「なあ、ここ最近なにをしても満たされなかった、ゲームをしても本を読んでもいろんなことをしたが満たされなかった。でもさ、昨日仲のいい女友達と俺の家で寝たんだよ2人きっりで」

「自慢話かよ」

「違うよ、俺、その時ものすごく楽しかったんだよ、それでさ気づいたんだよ!俺は、彼女がほしかったんだって」

「彼女か、俺もほしいねできたことないしね」


 そんなくだらない会話を思い出した。

 俺だってロマンチックな恋愛をしてみたいものだけど俺ができるのは、ラブソングを聴いて妄想することぐらいしかできない悲しい・・・

 そもそもこの散歩も家にこもってても出会いなんてない!と思って始めたのがきっかけだがなかなか運命の人とは出会わない神様も嫌なやつだ。

 そんなことを考えて歩いたら目的地の大きな桜の木に着いたが!

なんと、桜が咲いていない。

 泣きたくなった、9㎞も歩いたのに桜が咲いていなかった、そのショックで今までの疲れが俺を襲った。が、せっかくここまで来たので写真を撮ることにした。

 時間を確認すると午後4時を過ぎていたのでまた自宅までの道のりを頑張って歩いた。

 帰り道友達が言ったことを思い出した。

「俺は、彼女がほしかったんだって」

満たされなかった理由見つかってよかったな

 そして俺は、次の散歩の予定を考えて帰った。

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