第4話 夕食

雫ちゃんは無言でお弁当をもっきゅもっきゅと小さなお口で食していく。マジ可愛ゆし…もえ〜 はっ!俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない…ブツブツ…


俺は雫ちゃんが食べ終わったのを見計らい、再び話しかけてみた。


「お弁当、美味しかった?」


コクっ


「なんで我が家の前に居たのか聞かせてもらえる?」


コクっ


すると雫ちゃんは重い口を開きここに来るまでの経緯をポツポツと話し始めた。

雫ちゃんの話を要約すると、小さい時にご両親を亡くされ、父方の叔母に引き取られるも叔母は雫ちゃんに興味がなく、食事代だけ渡して放置。その叔母もここ二日帰って来ず、このままでは死んでしまうと思い、家を出たもののお腹が空いてたまたま我が家の前に座ってた、ということらしい。



どうしようかな、どうしようもないね…

再び泣き出してしまった雫ちゃんを見てなんとも言えない感情が湧き上がった。

はぁ〜、中学の経験からこういうことには極力顔を突っ込まないようにしていていたんだがな…





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