手のひらサイズの物語
そやなの人
二人零和有限確定完全情報ゲーム
二人零和有限確定完全情報ゲームという種類のゲームがある。細かいところはそこらへんに置いておいて、将棋やチェス、オセロみたいなゲームだ。最近だとどうぶつしょうぎなんかもこれにあたる。
これらのゲームは結論が引き分けでない限り、必ずどちらかのプレイヤーに必勝法が存在する。言い換えると、初期の配置で引き分け、先手勝ち、もしくは後手勝ちが決まっていることになる。どうぶつしょうぎや6×6のオセロは後手が勝つ。結果が覆るのはミスがあった時だけだ。つまり、これらのゲームは人間の不完全さにより成り立っていると言える。
そう、人間は不完全なのだ。間違えて、間違えて、また間違えて。そうやって人は生きていく。ある意味では、間違えることこそが人間として正しい行為 、人間らしい行動だと言える。
「だから、僕の赤点は人間らしさの結晶ということで、ここはひとつ……」
「だーめ。約束は約束だよ? 赤点とったら補習の勉強終わるまでいちゃいちゃ禁止だからね?」
そう言って、君は僕のほっぺにちゅってした。……あれ?
「私も人間だからね。間違えちゃった」
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