死ぬほどの駄作

@asseisha

第1話

突然で悪いが君は一度はこう思ったことは無いだろうか?


「もし自分が世界で一番の力を持っていたら」と。


おっと自己紹介が遅れたね。僕の名前は田中太郎 高校生だ。


先程の問いで分かっているとは思うが最強だ。

これだけでは厨二病にしか見えないな、じゃあ説明をしよう。


まずは勉強面、勉強なしの実力だけで全国模試一位をとれる。


次に運動面、オリンピック選手もビックリする記録が余裕で出せる。

容姿、君の想像する1番のイケメンを思い描いてくれ。以上。

他の力も世界最強を容易に取れる。


こんな力があれば人生バラ色…

と言いたいところだがそうはいかない。最強の学力?運動神経?容姿?


よく考えろ。妬まれるだけだぞ。

モテて嬉しくないのか、だって?


女のドロドロした様子を間近で見れて嬉しいだろうか?


僕は嬉しくない。

もし願いが叶うなら全ての力を平均にして欲しいくらいだ。

物事には限度があるんだ。

例えば今僕の前にいる女達をどうにかしてほしい。


「お、おはよう田中。」


彼女の名前は朱田栞、クラスメイトだ。 モテている。なんかやけに僕につきまとって来る。


「田中、この間出来たゲーセンがあるんだけどいかないか?べ、別にお前と仲良くなりたいから行きたいとかじゃないんだからな!お前なんかどうでもいいんだからな!」


どうでもいいんなら帰ってくれないだろうか。


「ダメだよ しおりちゃん!」


彼女は田中三奈 僕の妹だ モテている。 なぜか僕の交友関係に口出ししたがってる。


「お兄ちゃんは三奈と遊ぶの!」


お前とも約束してねえよ。


「二人ともやめて!」


クラスの委員長の水橋里奈が言う。


いいぞ言ってやれ!


「太郎くんは私と遊ぶの!」


お前もか。


「はあ?田中はあたしと遊ぶんだよ!」

「お兄ちゃんは三奈と遊ぶの!」

「太郎くんは私と遊ぶの!」


そろそろ周りの視線が痛いんだが。

まあ、三人とも物凄くモテるからな。僕と一緒にいるのが妬ましいんだろう。

邪魔しに来いよ。むしろ来てくれ!歓迎しよう。

僕は淡い期待を持ってクラスを見渡す。

出て行くクラスメイト。

待ってくれ!出て行かないでくれ!

『チッ!行くぞ』じゃなくて!


「み、水橋さん。」


クラスメイトのある男子が言う。

よし!そしてこのまま連れて言って欲しい。


「何かな?」


笑っていない目でその男子生徒を見つめる水橋。あんた委員長だよな?


声を掛けた男子生徒は怯えながら「な、何もないです!」と言いながら去っていった。待ってくれ!


「あたしと遊ぶんだ!」

「違うもん!私とだもん!」

「私とだよ!」


まだやって居るのかこの3人は。


助けを求めようと辺りを見回すと、自分とこの3人を除き誰もいなかった。


誰か助けて!

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