泣きっ面に蜂

東京駅で電車を降りると、立ちくらみが酷かったため、一旦ベンチで休み、治ったと思って立ち上がると、再び立ちくらみが酷くなり、視界も濁ってきた。

俺は無意識に千鳥足で歩いていた。


だが、そんな時、ちょうど電車が来た。

と同時に、ホームで足を踏み外したのだった!




気がついたら、俺は暗闇を歩いていた。

暗闇と言ってもなぜか落ち着く暗闇だった。

なんでだろう、こんなに落ち着く暗闇は初めてだ。


しばらく歩いていると、目の前に針で穴を開けたような白く眩い光が見えてきた。

なぜか、自分はそこに向かって行きたくてたまらなくなり、無意識に歩いて行った。


どのくらい歩いたかわからない。

だって、疲れもダルさもめんどくささも、一切感じないから、あの光のためならいくら歩いても構わないような気分だったから。


俺は、白い光の元にたどり着いた。


その光は案外大きく、大きな洞窟の入り口のようだった。

こちら側からは光の向こうは全く見えないが、この光は別世界の入り口であるように感じた。

そして、俺はその白い光に足を踏み入れて行った。


そして、そこは想像を遥かに超えるものであった!

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