「殻は、色々な物がある、カタツムリのようなものや、卵の殻」


うんうん


「卵の殻の場合、"胚"はどう頑張っても身を守れない」


「はい?...肺?」


"胚"がわからなかった。


「そうだ、"胚"だ」


う...うん?


「嘘だろ?わかってないのか?」


こりゃ多分、拝島が言ってるのは別の"はい"だな。


「簡単に言えば胎児とかのことだぞ?」


なるほど...胎児のことを"はい"と言うのか


「植物は胚珠、動物は胚」


あ...そんなことやった気が...


「話を戻すぞ!だがしかし、母体から出なくてはならない胚は、子になるまでの間は殻に守ってもらう方法を身に付けた」


なるほど

言ってることは当たり前のことでも、見方を変えるとすごいことなんだな。

国語の評論とかでもありそうな感じがする。


「そして、その胚は子になるとやがて殻を破って出てくる」


「殻を破って出てくるってのは、かなり勇気がいることだ」


いや、殻の中にいつまでいても退屈だからにもならない?


「確かにそうだ、じゃあなぜ退屈に感じると思う?」


「殻の中じゃすることないから」


普通に考えたらそうじゃない?

だって、殻の中にいるってのは窮屈で何もない小部屋に閉じ込められてるみたいだし。


「自分の知らない新たな世界を一つ一つ自分の身で触れて確かめたくなったからだ!」

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