「午後から雨って天気予報で言ってたのに傘忘れたの?」


頷くと、ニッと笑ってばーかって余計なひとことを付け足す。


「送ってやるから入れよ」

私の腕を引っ張り、傘の中に入れる。


「本当は折り畳みが、」

「え?」

「…なんもない」


輝く君についた嘘。

雨音で消えてしまった嘘。


どうか、私だけの秘密で。

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