水晶湖の怪人異世界に行く
大福がちゃ丸。
第1話 転移・再生・復活
澄んだ水が鏡のような湖があった。
王都からは離れてはいたが、その美しさで人気の観光地になっている。
その日も、大きな満月が水面に写り、まさに神秘的と見たものは思わずにいられない景色が広がっている。
美しい水面とは裏腹に、暗いくらい湖底に。
いつからかわからない眠りから、彼は目覚めた。
彼の庭と違うのはわかっていた、が、そんな事は彼にとっては些細なことだ、側のマチェット(山刀)を手に取りゆっくりと体を起こし、周りを見渡す。
水の透明度が高いせいもあり、湖底まで月明かりが届いてはいたが、背の高い藻が群生していて視界は悪かった。
立ち上がろうとした時、ザッと藻をかき分け大口を開けた何かが襲ってきた。
【大水蛇】ジャイアント・サーペント
水生の魔物で、巨大な体躯と毒牙を持つ魔物だ。
大きく口を開け、30M近い巨体とをくねらせ一気に近づくと、
バクリ!と彼を咥え体を回し湖底に叩き付ける!砂煙とちぎれた藻が湖底に舞う!
だが、彼にとってはそれだけの事なのだ。
ブツン!
マチェットを強引に首元にねじ込む、ジャイアント・サーペントはその体躯と水中での戦いになるだけに、並の武器ではなかなか傷すらつけられない代物だ。
それを腕力だけでねじ込み、ギチギチギチと首を無理やり切断していく。
血をまき散らし砂煙を巻き上げのた打ち回り暴れるが、牛ほどもある頭を抱え込み彼は離さない。
ビクリビクリと痙攣し屍になったジャイアント・スネークから、マチェットを抜き取り、血で赤く染まった水中を藻をまとわりつかせながら、彼は岸に向かって歩き出した。
この湖の名は〈水晶湖(クリスタル・レイク)〉彼の庭と同じ名前だった。
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