ごめんなさい短編

近況ノートに乗せていた短編

結構後ろのほうになっていたのでこちらにもう一度載せておきます。


『シオンが夏休み地味に働かされていたのに、制服採寸するお金がなくてレーナからカツアゲした理由』


 柄にもない買い物をしてしまった。

 小さなため息を一つついてみたところで、手持ちの大半がこの小さな黒色の真珠のついた華奢なネックレスに代わってしまった事実は変わらない。


 ショーウィンドーに飾ってあったネックレスみて似合うんじゃないかなって柄にもなく思って。

 フォルト様の家が後見人になってくれるってことで今後のお金の心配が薄れたとか理由はいろいろあった。

 ちょっとしたお礼とかしたくて買ったのはいいんだけど、時間をおいて現物を見てみると、これは僕から贈るのは立場的にどうよ? ってなってしまった。



 黒の真珠は白の真珠より珍しくて、魔を払う意味合いもあるならぴったりじゃんって思ってしまったんだからしょうがない。

 沢山もらうだろうプレゼントの中でどうせ埋もれるんだから気にせず送ればいいじゃんって気持ちと、婚約者いる相手に光りものはまずいんじゃないのって理性が均衡した。



 どうしたもんかと思ってるといい物が店先に売ってるのを見つけた。

 銅貨5枚のアンバーの砂を入れて持ち帰る人気のお土産の瓶だ。




 アンバーの砂はサラサラと白く美しい。

 瓶に砂を入れるとき皆願い事をするらしい。

 瓶に砂を少し入れてから、ネックレスをその中にいれた。



 サラサラと砂をいれる。



 僕の気持ちなんてどうせ打ち明けられない。


 気持ちを隠す僕のようにネックレスがだんだんと白い砂に覆われ隠れていく。




 美しい砂でいっぱいになった瓶からは中に何か入ってるかなんか見えない。

「これでよし」



 レーナ様が魔法省に拘束された知らせを受けたのは、この二日後だった。



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