あなたならどの子を選びますか?
よもぎもちもち
第1話 shirouto-douga-2558
アマソンから冷蔵庫でも梱包されてそうなダンボールが届いた。
はて?発送元に覚えはない。個人名か法人名か不明だけれど、発送元は英語表記で汚く書きなぐられていた。
荷を横にしてピッタリ貼り付けられているガムテープをカッターで丁寧に切る。
「あのぉー」
僕はビクッとなった。
箱から出てきたのは女の子だった。
「ご注文の品です。どうぞ好きにしてください」
僕は女性を注文した覚えはないし、ましてや、アマソンの荷に“人”が入っていることに混乱した。
「好きにって言われても・・・」
「好みに合いませんか?私」
僕はうーん、と唸った。
「あなたが私を召喚したんですよ。熱心にご覧になってましたよね?エッグス・ヴィデオ」
そう言えば昨夜、僕はエッグス・ヴィデオで好みの動画を探していたっけ。
まるで哲学者が倫理を探究しているかのように、真剣に。
「ええ。まぁ。でも、それをどうして知ってるんですか?って言うか、あなたどちら様ですか?」
「私の名前は“shirouto-douga-2558”、あなたが最後に閉じた次のページに住んでる素人です。もうちょっとガマンしてくれたら、も~っと“スッキリ”できたのになぁ。そうそう♪ブックマークしてた“rorikon-hoihoi94z”消しときますね♪」
消しときますね♪って・・・
小顔で八重歯が可愛い。
とてもエッグス・ヴィデオに投稿されている子とは思えない。
その白いブラウスから見える胸の谷間を僕は意識せずにいられなかった。
「21才です。女子大生してます。身長は156cm、Eカップ♪性格は大人しいほうかなー。ヨックモックのシガールを与えると、きっと喜びます」
聞いてもいないのに“shirouto-douga-2558”は喋りだした。そして僕はシガールがどちらかと言えば嫌いだった。
「ちょっとよくわからないけど、返品で・・・」
「わかりましたー。ちょっと困っちゃうけど、それじゃ帰りますねー」
彼女はそれだけ言うとダンボールの中に戻ってカッターで開いた部分を自分で閉じた。
沈黙・・・
ガサガサ・・・ガサガサ・・・
「あっ、レビューは☆5でお願いします!」
また沈黙・・・
恐る恐る確認すると箱の中はカラになっていた。
やれやれ。
もしかするとエッグス・ヴィデオには観た者の脳をおかしくするウィルスがCIAによって仕込まれているのかも知れない。
最近、僕はエッグス・ヴィデオを観すぎた。
だから今夜はFD2動画にしよう。
そうしよう。
あなたならどの子を選びますか? よもぎもちもち @yomogi25259
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